在留手数料が最大10倍に引き上げ|2026年閣議決定で宮城の外国人材受入企業が準備すべきこと
2026年3月10日、政府は出入国在留管理庁による入管法改正案を閣議決定しました。この改正により、在留資格の変更・更新手数料の上限が現行の1万円から10万円へ、永住許可手数料の上限が1万円から30万円へと大幅に引き上げられることになります。
宮城県内で外国人材を採用している企業、特に製造業・介護・外食業などの分野で特定技能や技能実習生を受け入れている中小企業にとって、この手数料改定は無視できない影響をもたらします。本記事では、改正の背景と具体的な影響、そして企業が今から準備すべき実務対応について解説します。
在留手数料引き上げの具体的な内容
2025年4月1日から在留期間更新許可の手数料は従来の4,000円から6,000円へ引き上げられ、さらに2026年度中には3〜4万円程度まで増額される見通しです。永住許可申請については10万円以上への引き上げが検討されています。
今回の閣議決定では、上限額の引き上げが法案として示されており、実際の手数料額は政令により定められる仕組みとなっています。報道によると、在留期間更新や在留資格変更は、許可される在留期間により、現行の6,000円から1〜7万円(平均3〜4万円)に、永住許可は現行の1万円から20万円になることが見込まれるとされています。
この手数料は原則として外国人本人が負担するものですが、企業が一部または全額を補助する事例も増えています。

なぜ手数料が引き上げられるのか
在留手数料の引き上げは、単なる費用増ではなく、外国人政策全体の強化に向けた財源確保を目的としているとされています。2026年1月30日に厚生労働省が公表した最新データによると、日本で働く外国人労働者数は2025年10月末時点で過去最多の2,571,037人に達したことからも、受入れ拡大とあわせた管理・支援体制の強化が求められています。
政府の方針では、以下のような分野への活用が想定されています:
- 在留審査体制の整備・デジタル化(渡航前オンライン審査制度JESTAの創設など)
- 外国人支援機関の強化
- 不法滞在対策の徹底
- 地域共生社会の構築支援
宮城の企業への影響
宮城県内では、製造業・介護・外食業・建設業などで外国人材の受入れが進んでいます。特に仙台市、石巻市、大崎市などでは、ベトナム人材、ミャンマー人材、インドネシア人材を中心に特定技能外国人や技能実習生が活躍しています。
手数料の大幅引き上げにより、以下のような影響が考えられます:
- 外国人材の経済的負担増: 3年ごとの更新で平均3〜4万円の負担が発生し、家族がいる場合は人数分の費用がかかる可能性がある
- 企業の補助負担: 人材定着のため、企業が手数料の一部または全額を補助するケースが増加する見通し
- 採用コストの見直し: 在留資格の更新費用を含めた中長期的なコスト計画が必要
家族がいる場合には、その人数によっては10万円以上の追加料金がかかる可能性もあり、そうした負担の重さは、従前正規に在留できていた者が在留の更新を諦める要因となるとの指摘もあります。
企業が今から準備すべきこと
宮城県内の外国人材受入企業が、この制度改正に備えて今から準備すべき実務対応を以下にまとめます。
1. 手数料負担ルールの明確化
在留資格更新手数料を誰が負担するのかを、社内で明確に定めておく必要があります。本人負担とするのか、企業が一部補助するのか、全額補助するのかを決定し、就業規則や雇用契約書に明記することが重要です。
2. 人件費シミュレーションの見直し
外国人材一人あたりの中長期コストを再計算し、在留資格更新費用を含めた採用・雇用計画を立て直しましょう。特に複数名を雇用している企業では、年間の更新対応人数を把握し、予算を確保しておくことが求められます。
3. 在留期間の一元管理
外国人材ごとの在留期限を一覧で管理し、更新時期が近づいたら早めに手続きを促す体制を整えましょう。在留カードの更新は1カ月以上かかる場合が多いため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。
4. 外国人材への事前説明
制度改正の内容と手数料負担について、外国人材本人に丁寧に説明し、理解を得ておくことが定着支援につながります。通訳翻訳サービスを活用し、母国語での説明資料を用意することも有効です。
減免制度の活用も視野に
法案では「経済的困難その他特別の理由がある者」について手数料の減免を可能とするとされているものの、具体的な対象や要件はまだ明らかになっていません。今後の政令や運用方針に注目し、該当する場合は減免制度の活用も検討しましょう。
まとめ
2026年3月に閣議決定された入管法改正案により、在留資格の手数料が大幅に引き上げられることが確実となりました。宮城県内で外国人材を受け入れている企業は、この制度改正を「コスト増」と捉えるだけでなく、外国人材の定着支援を強化する機会として捉え直すことが重要です。
手数料負担ルールの明確化、人件費シミュレーションの見直し、在留期間の一元管理など、今から準備を進めることで、制度施行後の混乱を最小限に抑えることができます。
株式会社エイチ・ティー・プランニング(HTP)では、宮城県内の企業向けに外国人材採用支援、通訳翻訳サービス、外国人教育支援を提供しています。在留資格の更新手続きや外国人材の定着支援についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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