タイと育成就労制度の協力覚書を締結、2027年4月施行へ受入準備が本格化
出入国在留管理庁は2026年6月4日、タイ王国との育成就労制度に関する協力覚書について発表しました。2027年4月1日から施行される育成就労制度に向け、送出国との二国間協力の枠組み整備が本格化しています。
育成就労制度とは
育成就労制度は、技能移転による国際貢献を目的とする技能実習制度を抜本的に見直し、人手不足分野における人材の育成・確保を目的として創設されました。2024年6月21日に公布された改正法により設けられ、施行日は2027年(令和9年)4月1日と正式決定されています。
対象は特定技能の特定産業分野のうち国内での育成になじまない分野を除いたもので、現時点では17分野が対象となっています。航空と自動車運送業は除外されています。

タイとの協力覚書の意義
今回のタイとの協力覚書締結は、育成就労制度における送出国との連携強化を示すものです。技能実習制度では送出機関による高額な手数料負担が問題視されてきましたが、育成就労制度では送出国と二国間取決め(MOC)の作成や送出機関に支払う手数料が不当に高額にならない仕組みの導入など、送出しの適正化が図られます。
タイは東南アジアにおける重要な送出国の一つであり、今回の覚書締結により、2027年4月の制度開始時から適正な受入れ体制が整うことが期待されます。宮城県内でも製造業や介護分野を中心に外国人材の受入れニーズが高まっており、タイ人材の採用を検討する企業にとって重要な動きといえます。
技能実習制度からの移行
2027年4月1日の施行後は、制度変更による混乱を避けるための激変緩和措置として約3年間の移行期間が設けられ、技能実習制度と育成就労制度が併存する形となり、概ね2030年頃までは両制度が並行して運用される見込みです。
2027年3月までに入国した技能実習生は、現行の技能実習制度のまま実習を継続でき、技能実習2号・3号への移行も現行制度のルールが適用されます。
宮城県内企業が準備すべきこと
育成就労制度では、入国時にN5相当の日本語能力が求められ、送出国での事前学習が必要となります。また、一定の条件下で本人意向による転籍が可能となるため、受入企業は外国人材から選ばれる職場環境づくりが求められます。
宮城県内の中小企業では、育成就労制度の施行に向けて以下の準備が必要です。
- 育成就労計画の策定準備
- 日本語教育・技能教育体制の整備
- 監理支援機関との連携確認
- 賃金・労働条件の適正化
- 生活支援体制の構築
政府は2026年1月23日の閣議で、2028年度末までの5年間の受入れ上限数を、特定技能1号80万5700人、育成就労42万6200人の計123万1900人に設定しました。また、対象分野にリネンサプライ、物流倉庫、資源循環を追加しており、宮城県内でもこれら新分野での受入れが可能となります。
今後の展開
育成就労制度は2027年4月施行予定ですが、制度開始に先立ち、監理団体が育成就労にかかる雇用関係の成立のあっせんを行うことや、監理支援機関許可の事前申請を行うことができます。具体的な方法は今後公表される見込みです。
宮城県内企業は、育成就労制度への理解を深め、早期に準備を進めることで、優秀な外国人材の確保と定着につなげることが期待されます。仙台出入国在留管理局や宮城労働局、宮城県国際化協会などの支援機関と連携しながら、受入体制の整備を進めることが重要です。
詳細は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。
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