2026年、東京都内の民泊をめぐる条例規制が相次いで強化され、住宅宿泊事業法(民泊新法)の年間180日ルールに対する自治体の「上乗せ条例」が、東京23区すべてで適用される状況となった。
渋谷区が首都圏で最も厳しい規制水準へ
archcorp.jp の2026年7月20日付レポートによると、渋谷区では住宅宿泊事業条例および旅館業法施行条例の改正が2026年7月1日に全面施行された。改正の主な内容は以下のとおりだ。
- 制限区域の大幅拡大:従来の住居専用地域に加え、第一種・第二種住居地域および準住居地域を制限区域に追加し、区内住宅地の大半が対象となった
- 家主不在型の180日営業は撤廃され、今後180日営業が可能なのは、オーナーが同一建物内・隣接地に居住する家主居住型のみとなった
- 制限区域内の実質営業可能日数は年間約63日に
- 近隣への事前周知は届出予定日の60日前までに前倒し
- 廃棄物処理業者との契約書提出が新たに義務化
なお、2026年6月30日までに届出を完了した施設には改正前ルールの経過措置が適用されるが、それ以降の新規届出はすべて新ルールの対象となる。

墨田区・葛飾区も2026年4月から上乗せ条例を施行
同レポートによると、これまで上乗せ条例を持たなかった墨田区・葛飾区も、2026年4月から新条例を施行した。この結果、東京23区すべてで住宅宿泊事業法への上乗せ規制が適用される状況となった。
また、hudousanlink.jpは、「2026年現在、東京23区を中心に各地で規制強化の動きが続いており、昨年まで問題なかったエリアで新たな制限が設けられるケースも増えている」と報告している。
「ゼロ日規制」容認という国の方針転換が背景に
こうした自治体の動きの背景には、国レベルでの方針転換がある。観光庁は2026年、条例によって民泊の年間営業日数をゼロとする、いわゆる「ゼロ日規制」を容認する方針を自治体に通知した。従来、住宅宿泊事業法の上乗せ規制は民泊受け入れ促進の観点から一定の制限内に留められてきたが、この前提が変わったことで、各自治体が独自の厳格化に踏み切りやすくなった形だ。
宮城・東北での民泊開業にどう影響するか
宮城県では、宮城県みやぎの民泊ポータルサイトが2026年6月29日付で更新され、県内民泊施設の届出情報の掲載を継続している。また、仙台市は2026年8月15日時点で届出住宅一覧(2026年7月31日時点)を公表しており、届出手続きの状況を随時更新している。
東京圏での規制強化が進む一方、宮城・東北エリアでは現時点で東京都内のような上乗せ条例の大規模強化は確認されていない。民泊新法(住宅宿泊事業法)の基本的な枠組み、すなわち年間180日の営業日数上限・都道府県知事への届出義務・家主不在型における住宅宿泊管理業者への委託義務は、2026年時点でも引き続き適用される。
宮城県内での民泊開業を検討する際は、物件所在地の用途地域と上乗せ条例の有無を事前に確認したうえで、消防設備の整備・届出書類の準備を進めることが求められる。


