観光庁が公表した統計によると、2026年1月15日時点での住宅宿泊事業(いわゆる民泊)の累計届出住宅数は59,427件となりました。2025年11月時点と比較すると約1,900件の増加であり、過去の月次増加数と比べるとやや控えめな伸びとなっています。
廃業率は37%で市場は淘汰期へ
届出件数は増加を続けているものの、2026年2月時点でも廃業率は約37~38%程度で推移していると業界関係者は推計しています。市場全体としては「拡大」というより「入れ替わり」が進んでおり、新規参入と同時に廃業も増加する淘汰期の様相を呈しています。STAY EXITのレポートによれば、実稼働物件数は累計届出件数の6割程度にとどまっているとみられます。
稼働率は45%程度、ホテルとの競争激化
観光庁の宿泊実績調査(2024年8~9月)によると、届出住宅あたりの平均宿泊日数は17.2日(2ヶ月間)でした。これを年換算すると約103日となり、民泊新法の上限180日に対して約57%の稼働水準にとどまっています。業界推計では、民泊の平均稼働率は2022年が約35%、2023年が約40%、2024年が約42%、2025年が約43~45%程度とされています。2026年に入ってからも、この緩やかな改善傾向は続いているもののコロナ禍前の2019年に50%台と言われていたレベルには依然として届いていません。
ビジネスホテルチェーンの低価格プランが充実し、民泊との価格差が縮小。清潔さ・安全性でホテルを選ぶ旅行者が増加しています。
訪日旅行者は2026年4,000万人超へ
日本政府観光局(JNTO)の統計では、2024年の訪日外国人数は約3,686万人と過去最高を更新し、2025年は約3,900万人超を記録しました。2026年は4,000万人突破が確実視されています。ただしJTBの旅行動向見通しによれば、2026年の訪日客数は中国・香港の需要減で前年比▲2.8%と予測されており、市場別での変動には注意が必要です。
AI価格最適化と管理代行が進展
2025年から2026年にかけて、AIを活用した価格最適化ツールを導入する事業者も増加しています。2026年以降の民泊市場は、量よりも質の供給が求められるフェーズに移行しつつあるといえるでしょう。地域性を活かした体験の提供や長期滞在に適した設備、写真映えを意識したデザイン性など、選ばれる理由を明確にする工夫が求められています。
宮城・仙台での民泊運営にも影響
東北エリアでも住宅宿泊事業への関心は高まっており、宮城県や仙台市でも届出件数は増加傾向にあります。一方で、稼働率の改善や近隣住民との関係構築、適切な管理体制の整備など、全国共通の課題に直面しています。民泊事業を始める際には、自治体の条例や消防法の要件を事前に確認し、持続可能な運営体制を整えることが成功の鍵となります。


