JTBが発表した2026年(1月~12月)の旅行動向見通しによると、訪日外国人旅行者数は4,140万人(前年比97.2%)となる見通しです。2025年まで続いた訪日旅行者数の急伸は一段落し、2026年は微減となる予測ですが、中国・香港市場を除くと前年比5.6%増と堅調な伸びを維持しています。
中国・香港の減少が全体に影響
2026年の訪日客数は中国・香港の需要減で前年比▲2.8%、ただし同2市場除くと+5.6%増加見通しとJTBは分析しています。中国・香港からの旅行者数減少は一時的なものと見られており、2027年以降は総数が再びプラス成長に転じる前提で予測されています。
一方、円安や日本の物価水準の低さ、各市場の所得水準の上昇、欧米豪における日本人気などを背景としたコロナ後の需要急伸は2025年までで一段落しており、今後は持続可能な観光政策が重視される局面に入っています。
国内旅行市場の動向
国内旅行は、旅行人数が3億700万人(対前年97.8%)、平均費用は52,900円(同102.9%)、総国内旅行消費額が16兆2,300億円(同100.6%)と予測されています。旅行人数はやや減少するものの、平均費用の上昇により消費額はほぼ横ばいを維持する見込みです。
民泊を含む宿泊施設にとって、訪日外国人旅行者だけでなく国内旅行者の取り込みも重要です。実際、国内旅行消費も拡大しており、民泊の需要はインバウンド一辺倒ではありません。特に、ファミリー・グループ・長期滞在は「ホテルでは取りづらい」領域で、民泊が強いカテゴリです。
東北エリアでの宿泊事業展開
宮城県・仙台市を含む東北エリアは、訪日外国人旅行者の比率が全国平均と比べて低く、国内旅行者が宿泊需要の中心となっています。このため、東北で民泊やホテル事業を展開する場合は、国内旅行者のニーズに応えるサービス設計が重要になります。
仙台市は東北最大の都市であり、ビジネス需要に加えて、青葉城や牛タンなどの観光資源も豊富です。また、秋保温泉や松島など周辺観光地への拠点としても利用されます。住宅宿泊事業法に基づく民泊や、旅館業法に基づく簡易宿所として施設を運営することで、多様な旅行者層に対応できます。
2026年の大型連休とイベント
2026年は3連休以上が8回(3連休6回、5連休2回)あります。GW(5月2日(土)~6日(水))とシルバーウィーク(9月19日(土)~23日(水・祝))に5連休があり、夏休みは、8月10日(月)を休むと8月8日(土)~11日(火)が4連休となります。大型連休が多い年となるため、宿泊需要の繁閑差が大きくなる可能性があります。
また、春先には、世界的な注目を集める「ワールドベースボールクラシック(WBC)」が開催され、国内外から多くの観客が訪れることが期待されます。愛知・名古屋ではアジア・アジアパラ競技大会が開催されます。大規模イベントに伴う宿泊需要の取り込みも、事業者にとっては重要な機会となります。
宿泊事業者に求められる対応
訪日外国人旅行者数が微減となる2026年は、宿泊事業者にとって「量から質への転換」が求められる年になります。単に施設を増やすのではなく、清掃品質、近隣配慮、緊急対応など運営体制を整え、法令を順守する事業者が選ばれる時代です。
ルール順守・近隣配慮・清掃品質・緊急対応が整っている施設ほど、相対的に勝ちやすくなります。宮城・仙台で民泊を始めようと検討している方は、地域の魅力を活かしながら、持続可能な運営体制を構築することが成功の鍵となります。
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