騒音トラブル対策の転機
Airbnb JapanとIoT騒音センサー「Minut(ミニット)」の国内正規販売店であるmui Labは、京都市内でホスト不在型の民泊施設を運営する協力ホストを対象に、騒音センサー「ミニット」を1年間無償で提供する実証実験を開始した。これは、日本の民泊市場で深刻化する騒音問題に対する業界側からの先制的な取り組みとなっている。
騒音センサー「ミニット」は、航空機や電車の車内などと同程度の音量である約75デシベルを超える音が10分以上続いた場合、ホストへ通知する。通常の滞在や会話で通知が届くことはない。

プライバシーに配慮した監視の仕組み
ミニットは音声や映像を一切記録せず、音量(デシベル)と継続時間のみを測定する。一定の基準を超える音が続いた場合にホストへ通知が届くため、近隣に影響が及ぶ前に対処することができる。
この特性が、カメラ設置に伴うプライバシー侵害の懸念を回避しながら、実効的な対策を実現する点で評価される。
規制強化の背景
観光庁は2026年6月、訪日客による騒音やゴミ出しトラブルの増加を受け、自治体が条例によって民泊の年間営業可能日数をゼロ日に設定すること、すなわち営業を実質的に禁止することを容認する通知を出す方針を示した。
京都市は、観光庁の通知を受け、2026年度中の条例改正で踏み込んだ民泊制限を行う方針だと報じられた。新宿区では苦情件数が2022年度の60件から2025年度には924件に急増するなど、全国でトラブルが顕在化している。
実証実験の規模と期待
実証実験は約60施設のリビングルームや玄関などに同センサーを設置して実施される。約1年間に集積されたデータをもとに、騒音の発生頻度とホストの対応時間を定量的に検証し、問題が起きる前に回避できる仕組みやルールづくりに活かす。
業界全体がICT活用による自律的な問題解決に動く中で、この京都での実験は、民泊市場における新しいルール形成の実例として機能することが期待されている。


