ベトナム、外国人の住宅所有をマンション限定へ 戸建て除外方針
改正案の主要内容
ベトナム建設省は、外国の組織および個人の住宅所有権に関する規定の見直しを進めている。2026年9月18日に示された住宅法改正案では、外国の組織・個人が所有できる住宅を分譲マンションに限定し、住宅プロジェクト内の庭付き一戸建てやタウンハウスなどの戸建て住宅を所有対象から除外する方針を示した。
この改正は、土地使用権と住宅所有権の関係を整理し、国家の土地管理政策との整合性を確保することを主な目的としている。ベトナムは社会主義国として土地は国有であり、外国人には建物の所有権のみが認められてきたが、今回の改正でその枠組みをより厳格化する形となる。

現行法との違い
2023年版住宅法では、条件を満たす外国の組織・個人に対し、分譲マンションに加えて、1つの街区・村に相当する区域内で250戸を上限に戸建て住宅の所有を認めていた。しかし改正案では、この戸建て住宅の所有条件が完全に削除される予定である。
現在、外国人がベトナムで所有できる物件はコンドミニアム総戸数の30%まで、戸建て住宅は1街区につき250戸が上限とされている。改正案はこうした戸数制限をマンションに一本化する形となり、戸建て住宅市場への外国人参入を実質的に禁止することになる。
背景にある法的課題
今回の改正案提出の背景には、ベトナムの法体系における矛盾があると指摘されている。社会主義国としての土地所有の原則と、外国人への建物所有権の緩和との間で生じていた法的グレーゾーンを解消する必要があったとみられる。
ベトナムでは土地法により「土地は全人民の所有に属する公財産であり、国が所有者を代表して統一的に管理する」と規定されている一方、住宅法では外国人の住宅所有を認めており、両法間に明確な整合性を欠いていた。今回の改正はこうした法的矛盾を解決し、より明確な規制枠組みを構築する試みといえる。
外国人投資家への影響
この規制強化は、ベトナムの不動産市場で外国人投資家の選択肢を大幅に縮小させることになる。特に土地付き戸建て住宅への投資を検討していた外国人や外国企業にとって、重大な方針転換となり、事業計画の見直しが必要になることが予想される。
一方、マンション市場については引き続き外国人の所有が認められるため、都市部の高層コンドミニアム開発・投資は継続される見込みである。同改正案は国会での審議を経て実装されることになるとみられている。

