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特定技能外国人の約8割がSNSで転職情報を収集、母国語支援が定着の鍵に

公開日: 2026年6月22日

株式会社カミナシが2025年12月16日〜2026年1月9日に技能実習生71名・特定技能外国人202名の計273名を対象に実施した調査(調査名:「技能実習生・特定技能外国人の日本での就労意識・就労環境」)によると、SNSグループで他社の給与または働き方の情報を見て転職したいと思ったことがある回答者は合計77.0%に上ることが明らかになった。仙台・宮城県内の製造業・介護・外食業など外国人材を受け入れる企業にとって、採用後の定着支援が一層重要な経営課題となっている。

SNSが転職判断に与える影響

株式会社カミナシのプレスリリース(2026年2月公表)によると、調査対象者の60.4%が日本で働く自国出身の外国人とのSNSグループ・コミュニティに参加していることが確認された。そのコミュニティで転職を検討したことがある回答者の内訳は、「給与・賃金と働き方の両方の情報を見て転職したいと思ったことがある」(37.6%)が最多で、次いで「給与・賃金の情報を見て転職したいと思ったことがある」(30.3%)だった。

ベトナム人材・ミャンマー人材・インドネシア人材を中心に受け入れる東北の企業にとっては、特にこのSNSによる情報流通への対応が急務となっている。アジア圏では自国出身者とのSNSグループへの参加が一般的であり、待遇格差が可視化されやすい環境にある。

定着を阻む「コミュニケーションの諦め」

同調査では、コミュニケーション不全の最大要因として「日本語でうまく伝えられないことによる諦め」が挙げられた。業務習得方法については約6割がOJT(職場での実地訓練)を通じて習得しているものの、その半数は「わからないことがあっても聞き直すことを躊躇している」実態が明らかになった。

一方、母国語に対応した手段で業務を習得した層では、約8割が「母国語だからこそ早く習得できた」と回答している。通訳翻訳を活用した多言語での業務説明・マニュアル整備が、習得速度と定着率の双方に正の影響を与えることが示唆されている。

「一従業員としての尊重」と「教育の充実」が選ばれる企業の条件

同調査では、企業が外国人材から「選ばれる鍵」として、「一従業員としての尊重」と「教育の充実」の2点が示唆された。特に育成就労制度が2027年4月に施行されると、一定の条件下で外国人材の転籍が本人の意向で認められるようになる。受入れ企業にとっては、外国人採用後の定着支援の質が競合他社との差別化要因となる。

また、長期就労を前提として来日した外国人材(72.2%)に対し、「日本社会の排他的な論調が長く働きたいという気持ちに悪い影響を与えた」と回答した割合は51.3%に上っている。職場内での多文化共生への取組みが、外国人材の長期定着に直接影響する。

特定技能1号の離職率と宮城の現状

法務省が公表したデータによると、制度施行から令和4年11月末までに特定技能1号として在留した外国人のうち、自己都合による離職者は約16.1%(6人に1人)にのぼっている。宮城県内でも製造業・介護・外食業を中心に特定技能外国人の受入れが拡大しているが、採用後の定着支援が不十分な場合は1年未満での離職につながりやすい実態がある。

また、転籍に関しても、特定技能1号では本人の意思による転職が原則として認められており、同一分野・同一業務区分内での転職であれば在留資格変更許可申請のみで手続きが完了する。採用コストと育成コストを回収するためにも、定着支援への投資が不可欠な段階に来ている。

宮城・東北の企業が取り組める具体的な定着支援

調査結果や制度動向を踏まえ、宮城県内の受入れ企業が今すぐ取り組める定着支援策は以下のとおりだ。

  • 母国語対応の業務マニュアル・ルールブックの整備(ベトナム語・ミャンマー語・インドネシア語等)
  • 定期的な面談の実施(日本語だけでなく通訳翻訳を活用した母語面談)
  • 日本語教育支援の充実(外国人教育プログラムの導入、仙台市内の日本語教室との連携)
  • 給与・昇給ルールの透明化と明文化(SNSで比較されることを想定した待遇の整備)
  • 生活支援(住居確保・在留資格更新・ビザ申請のサポート)
  • 育成就労制度施行後の転籍対応フローの事前設計

外国人採用の競争が激化する東北・宮城において、採用後の「定着」こそが企業の持続的な人材確保を左右する。通訳翻訳や外国人教育支援を組み合わせた包括的な定着支援体制の構築が、これからの外国人雇用の標準となりつつある。

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