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特定技能の訪問介護解禁から1年、宮城県内の介護施設で受入れが本格化

公開日: 2026年6月25日

2025年4月21日、厚生労働省の告示等改正により、介護職員初任者研修を修了し介護事業所での実務経験(原則1年以上)を有する特定技能外国人について、訪問介護等の訪問系サービスへの従事が認められるようになった。解禁から1年余りが経過し、全国・宮城県内の介護現場では運用実態が明らかになりつつある。

解禁の背景:訪問介護の深刻な人手不足

令和5年度介護労働実態調査では、訪問介護事業所の81.9%が人手不足と回答している。厚生労働省によると、訪問介護員の平均年齢は54.4歳で、65歳以上が占める割合は24.4%に上る。人手不足と高齢化の影響で訪問介護事業所の倒産が増加しており、このような現場の危機を踏まえて訪問介護への特定技能外国人の受入れが解禁された。

厚生労働省による2024年統計では、2022年度のホームヘルパーの有効求人倍率は15.53倍と、人材確保が極めて困難な状況が続いていた。仙台市や宮城野区・太白区・泉区などの宮城県内介護事業所においても、訪問介護の担い手不足は共通する課題である。

訪問介護に従事するための要件

特定技能外国人が訪問系サービスに従事するには、外国人本人と受入事業所の双方が一定の要件を満たす必要がある。

  • 外国人本人の要件:介護職員初任者研修課程等を修了していること。介護事業所等での実務経験が原則1年以上あること。(例外として、実務経験が1年未満の場合はN2相当の日本語能力が必要)
  • 同行訪問の要件:週1回のサービス提供を行う利用者には原則として6カ月間の同行訪問が必要。利用者・家族の同意があり、ICTによる常時連絡体制が整っている場合は3カ月に短縮できる。
  • 受入事業所の手続き:利用者および家族への事前の書面による説明と署名取得、キャリアアップ計画書の作成と特定技能協議会事務局への提出、協議会申請システムを通じた適合確認申請(2026年5月13日以降は申請システムで一元化)が求められる。

なお、訪問介護に従事させるにあたっては、受入事業所が事前に「巡回訪問等実施機関」に必要書類を提出し、適合確認を受けることが条件となっている。

介護分野全体の動向:5万人超え・上限接近に警戒

特定技能外国人による訪問介護が解禁された2025年4月以降、介護分野全体の在留者数は同年6月末で5万4,916人と、制度開始から6年で5万人を超えた。直近1年間の増加人数は前年比約1.5倍のペースで増加しており、受入上限への到達時期が2027年半ばと予測されている。

また、第38回介護福祉士国家試験(2026年3月16日発表)では外国人受験者が過去最多の16,580人となり、特定技能1号の受験者は前年の約2倍にあたる10,406人に達した。介護福祉士資格の取得が特定技能2号移行への重要なルートとなることから、宮城県内の介護施設でも試験対策支援を含む外国人教育の整備が加速している。

宮城・東北の介護施設が取り組む定着支援

宮城県内の介護施設が外国人材の定着を進めるうえで、以下の実務対応が重要となる。

  • 日本語教育の継続実施:訪問介護では利用者との一対一のコミュニケーションが求められ、施設介護に比べて高い日本語運用能力が必要とされる。N4レベルの特定技能1号人材が同行訪問を経て単独訪問に移行できるよう、日本語研修を計画的に組み込むことが不可欠である。通訳翻訳サービスや多言語対応の研修ツールを活用することも有効である。
  • キャリアアップ計画の共同策定:外国人本人と事業所が到達目標を共有するキャリアアップ計画書の作成が義務付けられており、ベトナム人材・ミャンマー人材・インドネシア人材それぞれの文化背景を踏まえた丁寧な説明が求められる。
  • 住居・生活環境の整備:仙台市では介護事業者向けの外国人材住居借上支援補助金が継続実施されており、青葉区・宮城野区など市内各区の介護事業所が活用できる。安定した住環境が定着率に直結する。
  • 育成就労制度への移行準備:2027年4月1日に施行予定の育成就労制度では、介護が対象17分野の一つとして含まれており、現行の技能実習生を新制度に移行させるための社内体制整備を今から進めておく必要がある。

東北の介護事業者が直面する課題

東北6県の介護施設では、外国人材の採用は進むものの、訪問介護への従事に必要な同行訪問体制の確保や協議会への書類申請作業が現場負担となっているケースが報告されている。特に岩手県・秋田県・山形県・青森県など人口密度が低い地域では、移動距離の問題も加わり体制整備に時間を要している。

宮城労働局の調査では、外国人材の職場定着には「日本語でのコミュニケーション支援」と「生活面でのサポート」が鍵となることが確認されている。専門的な通訳翻訳サービスや多言語対応の生活支援を組み合わせた包括的な定着支援が、外国人採用を成功させるための実務的な要件となっている。

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