特定技能ドライバー200人内定、運送企業の大規模採用が本格化
特定技能ドライバーの採用が急速に拡大
2026年6月15日時点で、複数のトラック運送会社が累計約200名の特定技能1号ドライバーの内定者を輩出したと発表されました。同時期の2025年12月末時点では全国でわずか151名の在留資格取得者だったことを踏まえると、この採用拡大は業界にとって大きな転機を示しています。
特定技能の外国人ドライバーは、令和11年3月までの受け入れ見込み人数が22,100人とされており、まだ初期段階の採用にとどまっています。2026年1月末までの技能評価試験の累計合格者は4,448人に上る一方で、実際の採用はこれからの拡大局面を控えています。

運送業界を悩ます人手不足の背景
自動車運送業界では業務の特性上労働時間が長く、ドライバーの高齢化や人手不足が深刻な問題となっており、令和4年度の求人倍率は2.61倍で、5年後には約28万8,000人もの人手不足が発生する見込みです。
2024年より自動車運送業分野で特定技能人材の採用が可能となった背景には、物流や人流を支える重要な存在であるバスやタクシー、トラックなどの事業用自動車のドライバー確保が難しくなっている事情があります。
採用企業に求められる安全管理体制
受入れ企業の運行管理が不適切だと事故が起こる危険があり、運転手の労務管理がしっかり行われていないと過重労働になってしまう可能性があるため、外国人ドライバーの受け入れには厳格な基準が設定されています。
採用企業は「運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)」の認証またはGマーク(安全性優良事業所)を保有していることが必須要件とされています。
段階的な業務配置による定着支援
外国人ドライバーが日本の運転文化に適応するには、道路標識や交通ルール、運転マナーなどを理解させることが重要であり、入社後も継続的に安全運転に関する研修や指導を行い、運転技術の向上やリスクマネジメントの意識を高める取り組みが不可欠です。
最初から大きな業務をさせるのではなく、中長距離ではなく近い場所から走らせる、簡単な業務から行うなどのステップアップを計画することが重要とされています。これが「循環モデル」として機能し、外国人材の定着と安全な運行の両立につながります。
日本語要件と免許取得のハードル
特定技能ドライバーの採用には、日本語能力試験と技能評価試験の合格が必須です。トラックドライバーの場合、日本語能力の要件はJLPTでN4レベル以上の合格が必要で、バス・タクシーのドライバーはより安全管理が必要なためJLPTでN3レベル以上の合格が必要とされています。
加えて、第二種免許の取得がボトルネックで、外国免切替から日本の一種免許、さらに二種免許へと段階を踏むため、乗務開始まで6ヶ月〜1年を見込む必要があります。
今後の採用拡大に向けた課題
受け入れ見込数2万2,100人に対する充足率は約1.5%で、外食業のような受け入れ停止の心配もなく、早く動いた企業から埋もれている合格者にアプローチできる状況が続いています。
宮城県内の中小運送企業についても、現在のうちに特定技能制度の理解を深め、采用体制の整備を進めることで、今後の人材確保の選択肢を広げることができる段階にあると言えます。

