不動産登記に国籍情報提出が義務化へ|2026年度運用開始で宮城の外国人材受入企業が知るべき影響
法務省は2025年12月16日、土地や建物といった不動産を個人が取得する際に国籍情報の提供を義務付けると発表し、2026年度に運用を始めます。この制度変更は、外国人材を受け入れる宮城県内の企業にとって、住居支援の実務に影響を与える可能性があります。
国籍情報提出の義務化とは
登記の申請書に国籍を記入する欄を設け、パスポートや住民票など国籍が確認できる本人確認書類の提出を求める制度で、日本人も国籍把握の対象となります。ただし国籍情報は内部情報として保有し、個人のプライバシーなどに配慮して登記簿には記載しません。
政府は、外国法人を含む外国人による大規模土地取得の実態把握のため、土地取引時の国籍届出義務化を進めており、特定規模以上の土地を取得する場合、取得者の国籍を自治体へ届け出る制度を国土利用計画法の枠内で義務付け、情報を国に集約する仕組みを2026年4月より整備します。

外国人材の住宅確保への影響
厚生労働省の2026年1月の発表によると日本国内の2025年の外国人労働者数は257万1037人で、集計を開始した2008年以来で初めて250万人を超えました。宮城県内でも、製造業・介護・外食業などで外国人材の採用が進んでおり、住居の確保は企業にとって重要な課題です。
今回の制度変更により、外国人材が不動産を購入する際には追加の書類準備が必要になります。賃貸住宅の契約には直接影響しませんが、将来的に永住を視野に入れた外国人材が住宅を購入する場合には、手続きの流れを事前に理解しておくことが重要です。
企業が社宅・寮を提供する場合の留意点
- 法人名義での取得の場合、今回の個人向け制度の対象外となる
- 個人名義で社宅用不動産を取得する場合は国籍情報の提出が必要
- 外国人材本人が購入する場合は、在留カードやパスポートの準備を支援
仙台市の外国人材住居支援制度
宮城県内では、外国人材の住居確保を支援する制度が整備されています。仙台市内の介護サービス事業者が外国人を入居させるための借家などを借り上げ、その経費を法人が支出した場合、または住居に係る家賃などを負担した場合に市が補助金を交付する制度があり、外国人1名につきひと月当たりの経費の2分の1(上限25,000円)が支給されます。
対象となるのは在留資格が「介護」「特定技能」「技能実習」「特定活動」の場合は、法人が運営する仙台市内介護サービス事業所に常勤の職員として勤務する者です。詳細は仙台市公式サイトで確認できます。
多文化共生に向けた地域の取り組み
出入国在留管理庁は、在留外国人が在留手続、雇用、医療、福祉、出産・子育て・こどもの教育等の生活に係る適切な情報や相談場所に迅速に到達することができるよう情報提供及び相談対応を多言語で行うワンストップ型の相談窓口(=一元的相談窓口)の設置・運営する取組を外国人受入環境整備交付金により財政的に支援しています。
宮城県内でも、自治体の一元的相談窓口や多文化共生センターが整備されつつあり、外国人材が安心して暮らせる環境づくりが進んでいます。企業が外国人材を受け入れる際には、こうした地域の支援窓口と連携することで、定着支援がより円滑になります。
企業が今すべきこと
- 住居支援の方針を明確化:社宅提供、家賃補助、紹介のみなど、自社の支援範囲を整理
- 地域の支援制度を把握:仙台市の補助金など、利用可能な公的支援を確認
- 不動産業者との連携:外国人対応可能な不動産業者との関係構築
- 多言語対応の準備:契約書類や生活ルールの説明資料を多言語で用意
外国人材の住居確保は、採用後の定着率に直結する重要な要素です。2026年度からの制度変更を機に、自社の住居支援体制を見直し、地域の支援策も活用しながら、外国人材が安心して働ける環境を整えることが求められます。
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