宮城労働局、外国人材の労災死亡事故が2025年度8件と過去5年で最多
宮城労働局は2026年5月、2025年度に宮城県内で発生した外国人材の労働災害による死亡事故が8件に上り、過去5年間で最多となったことを明らかにした。業種別では建設業と製造業で各3件、運送業で2件発生している。
死亡事故の発生状況
2025年度に宮城県内で発生した外国人材の労災死亡事故8件のうち、建設業では高所からの墜落事故が2件、重機に挟まれる事故が1件発生した。製造業では機械への巻き込まれ事故が2件、フォークリフトによる事故が1件となっている。運送業では荷物の積み下ろし中の事故が2件報告された。
在留資格別では、特定技能が3件、技能実習が4件、身分系在留資格が1件となっており、実習生や特定技能外国人の事故が大半を占めている。国籍別ではベトナム人材が4件、インドネシア人材が2件、ミャンマー人材が1件、フィリピン人材が1件だった。

東北地域全体の状況
東北6県全体では、2025年度の外国人材労災死亡事故は23件に上り、前年度の16件から大幅に増加した。青森県で4件、岩手県で3件、秋田県で2件、山形県で3件、福島県で3件が発生している。東北労働局は各県労働局と連携し、外国人材を雇用する事業所への安全指導を強化している。
言語対応と安全教育の課題
宮城労働局の調査によると、労災が発生した事業所の約6割で、外国人材の母語による安全教育が実施されていなかったことが判明した。日本語能力が不十分な外国人材に対し、日本語のみで安全教育を行っていたケースが多く、作業手順や危険箇所の理解が不十分だった可能性が指摘されている。
特に建設業と製造業では、作業現場での危険性が高いにもかかわらず、多言語での安全マニュアルの整備や通訳翻訳を介した教育が遅れている実態が浮き彫りになった。仙台市内の受入れ機関からは「通訳者の確保が難しく、安全教育に十分な時間を割けない」との声も上がっている。
宮城労働局の対応
宮城労働局は2026年6月から、外国人材を雇用する事業所を対象とした多言語安全教育セミナーを仙台市、石巻市、大崎市で開催する予定だ。ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語の通訳翻訳者を配置し、業種別の安全教育マニュアルを配布する。
また、特定技能外国人と育成就労制度(2027年4月施行予定)の受入れ機関に対し、母語による安全教育の実施を義務化する方針を検討している。宮城県内の外国人材は2025年10月末時点で約2万8000人に達しており、安全対策の強化が急務となっている。
企業に求められる対応
外国人材を雇用する企業は、日本語教育だけでなく、母語での安全教育体制を整備する必要がある。通訳翻訳サービスの活用、多言語安全マニュアルの導入、定期的な安全確認の実施など、定着支援と安全管理を両立させる取組みが求められている。
宮城県内では、介護、外食業、農業など他の分野でも外国人材の受入れが拡大しており、各業種での安全管理体制の見直しが進められている。仙台市青葉区、宮城野区、若林区、太白区、泉区の各区でも、外国人材の安全と定着支援に関する相談窓口が設置されている。
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