民泊運営にAI活用が加速、2025〜2026年に価格最適化ツール導入事業者が増加
民泊市場において、人工知能(AI)を活用した運営管理システムの導入が急速に進んでいる。2025年から2026年にかけて、AIを活用した価格最適化ツールを導入する事業者が増加していることが、業界関係者への取材で明らかになった。
訪日旅行者数は堅調も民泊稼働率は伸び悩み
2026年の訪日外国人旅行者数は4,140万人(前年比97.2%)と、JTBが1月に発表した旅行動向見通しで示されている。政府は2030年までに訪日旅行者数6,000万人を目標としており、宿泊需要は中長期的に拡大が見込まれる。
しかし民泊の平均稼働率は2025年で約43〜45%程度とされており、2026年に入ってからもこの緩やかな改善傾向は続いているものの、コロナ禍前の2019年に50%台と言われていたレベルには依然として届いていない。宿泊需要の回復にもかかわらず、民泊の稼働率が伸び悩む背景には、ホテル・旅館との価格競争激化や供給過多といった構造的な課題がある。
AI価格最適化ツール導入で収益向上を目指す
こうした状況を受け、民泊事業者の間では競合物件の価格動向をモニタリングし、最適な価格帯を自動設定するAI価格最適化ツールの導入が進んでいる。OTA(オンライン旅行会社)のアルゴリズムを理解し、競合物件の価格動向をモニタリングしながら、最適な価格帯を設定することが重要とされる。
価格最適化ツールは、過去の予約データや市場の需給バランス、周辺施設の料金設定などを分析し、日ごと・時間帯ごとに最適な宿泊料金を自動的に算出する。これにより、繁忙期には収益を最大化し、閑散期には稼働率を維持するという、収益管理(レベニューマネジメント)の高度化が可能になる。
住宅宿泊事業の届出件数は5.9万件超も廃業率は37%
2026年1月15日時点での住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく累計届出住宅数は59,427件となった。一方で2026年2月時点でも廃業率は約37〜38%程度で推移していると業界関係者は推計しており、市場全体としては「拡大」というより「入れ替わり」が進んでいる状況だ。
民泊事業の持続的な運営には、適切な価格設定に加えて、清掃・メンテナンスの専門業者への委託、ゲスト対応の自動化ツール活用など、運営効率を高める仕組みづくりが不可欠となっている。
宮城・仙台エリアでの民泊運営にも有効
宮城県や仙台市内で民泊を運営する事業者にとっても、AI価格最適化ツールは有効な選択肢となる。仙台市は東北最大の都市であり、ビジネス利用や観光需要が安定している一方、ホテルとの競合も激しい。データに基づく戦略的な価格設定により、国内旅行者と訪日外国人旅行者の双方を取り込むことが可能になる。
民泊利用者のうち日本人が約7割、外国人が約3割を占めるとされる中、国内旅行需要も視野に入れた運営戦略が求められる。AIツールの活用は、限られた人的リソースで収益を最大化するための現実的な手段として、今後さらに普及が進むと見られる。
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