物流倉庫の外国人材採用、2027年4月開始へ企業の準備が加速
物流倉庫分野が特定技能・育成就労の対象に追加
2026年1月、政府は特定技能・育成就労の受入見込み数を123万人に引き上げ、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が追加決定されました。物流倉庫分野における特定技能は2026年4月からの3年間で11,400人、育成就労は2027年4月からの2年間で6,900人の受け入れ見込みが設定されています。
背景にあるのは業界の深刻な人手不足です。EC市場の拡大などで物流倉庫の面積や稼働率が増加し、2028年度には約18,300人程度の人手不足が見込まれています。

採用対象業務と制度の特徴
物流倉庫分野では貨物の入出庫、保管業務、倉庫内仕分け、ピッキング、梱包、在庫整理など倉庫内業務全般が対象です。
特定技能と育成就労の大きな違いは以下の通りです。特定技能は一定の技能レベルを有していることを前提としており、日本語能力試験N4以上に加え物流倉庫分野の特定技能評価試験への合格が必要です。一方、育成就労は未経験からの育成を前提としており、日本語能力は初歩的なレベルからのスタートが可能です。
育成就労と特定技能を組み合わせることで、同一の人材を最長で計8年間(育成就労3年+特定技能5年)雇用することが可能です。
受け入れ企業の要件と注意点
物流倉庫分野では派遣形態での受入れが禁止されており、直接雇用が必須です。受け入れ可能な企業の区分は限定されており、倉庫業者、運送業者、受託事業者の条件を満たす必要があります。
制度整備の進捗状況について、物流倉庫分野の育成就労技能評価試験は2026年2月末までに試行試験を終え、試験開始は2027年4月の育成就労制度開始以降を予定しています。特定技能1号技能評価試験についても同様に試行試験を終えており、試験開始時期については調整中です。
企業向けウェビナーで準備支援が加速
制度開始に向けて、企業の理解を深めるための取り組みが活発化しています。第1回ウェビナーでは多くの物流企業の参加があり、制度概要や受入れ実務について多数のご質問をいただきました。第2回では参加企業からのアンケート内容をもとに、より実践的な内容へアップデートして開催されます。
外国人技能実習機構(OTIT)は9月1日から、育成就労制度施行に先立って育成就労計画の認定申請を受け付けており、制度施行に先立っての準備が本格化しています。
2027年4月の制度開始に向けた企業の準備課題
制度開始に向けて、准備期間として2026年からスタートする必要があります。派遣利用は不可となるため直接雇用への転換と、それに見合う労務管理体制が必要であり、単純作業だけではない付加価値の高い現場作りが求められます。
物流倉庫業界では、WMS(倉庫管理システム)の導入など、受け入れ体制の整備が不可欠とされています。2027年4月の制度開始までに、法務的準備と現場体制の両面での対応が企業に求められています。

