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気仙沼市、外国人材520人が水産業を支える

公開日: 2026年5月11日

東日本大震災後、岩手、宮城、福島の被災3県では、減少した労働人口の多くを外国人の働き手が補ってきた。25年は被災前の4.2倍となり、全国的にも高い水準だ。その中でも宮城県気仙沼市は、水産業における外国人材活用の先進事例として注目されている。

気仙沼市で520人の技能実習生が活躍

有数のカツオの水揚げ量を誇る宮城県気仙沼市では現在、水産業を中心に約520人の技能実習生が就労している。これは日本経済新聞の報道で明らかになった数字で、地域の水産加工業や漁業において不可欠な労働力となっている。

気仙沼市では、市や地元企業、市民が一体となって外国人材を受け入れる体制を整えてきた。生活支援や日本語教育、地域交流イベントなどを通じて、外国人材が地域に定着しやすい環境づくりを進めている。

宮城県全体でも外国人労働者が急増

令和6年10月末時点で、宮城県内の外国人労働者を雇用している事業所数は3,268事業所であり、外国人労働者数は19,554人であった。これは、令和5年10月末時点の2,872事業所、16,586人に対し、それぞれ396事業所(13.8%)、2,968人(17.9%)増加した

外国人を雇用している事業所数及び外国人労働者数ともに、平成19年度に届出が制度化されて以降、過去最高の数値となった。宮城県全体で外国人材への依存度が高まっている状況が読み取れる。

石巻市では漁業従事者の1割超がインドネシア人

石巻市が外国人の受け入れ人数では1位で、それは漁業の部分での受け入れが多いのが大きな要因となっている。実習生の割合が多く、漁業に携わっている人口の割合の1割をインドネシア人で超えるほど現在働いている方がいる

石巻市では行政が直接インドネシアと協定を結び、外国人材を受け入れる独自の仕組みを構築してきた。これにより、外国人材が負担する費用を抑え、受け入れやすい環境を整備している。

被災地の人手不足を外国人材が支える構図

東日本大震災以降、被災地では若年層の流出が加速し、労働力不足が深刻化した。その穴を埋める形で、技能実習制度や特定技能制度を活用した外国人材の受け入れが進展している。

水産業は重労働かつ季節性が高い産業であり、日本人の応募が減少する中、外国人材は欠かせない存在となっている。ベトナム、インドネシア、フィリピンなどアジア各国からの技能実習生が、水産加工、養殖、漁船作業などの現場で活躍している。

官民連携で定着支援を強化

気仙沼市では、外国人材が地域で安心して暮らせるよう、住居の確保、日本語教育、医療アクセスの整備などに力を入れている。市民との交流イベントも定期的に開催され、多文化共生の取り組みが進んでいる。

宮城県は「外国人材に選ばれる県内企業」を増やすため、採用戦略の策定や社内規定の整備、社内コミュニケーションの活性化等に悩む県内企業に対して、コンサルティングによる支援を実施した。県全体で外国人材の受け入れ環境を向上させる動きが加速している。

今後の課題と展望

外国人材の受け入れ拡大が進む一方で、言語の壁や文化の違い、在留資格の手続きの複雑さなどの課題も残されている。気仙沼市や石巻市の事例は、地域が一体となって外国人材を支える仕組みの重要性を示している。

今後、技能実習制度に代わって2027年4月から施行される「育成就労制度」により、外国人材がより長期的に地域に定着しやすくなることが期待されている。東北の被災地における外国人材との共生は、日本全体の多文化共生社会のモデルケースとなる可能性を秘めている。

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