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観光庁が民泊の「ゼロ日規制」容認を通知、全国の自治体対応に注目

公開日: 2026年7月13日

観光庁は2026年6月17日、住宅宿泊事業法(民泊新法)の枠組みの下で、自治体が条例改正によって民泊の営業日数を実質ゼロにできる「ゼロ日規制」を容認する方針を明らかにし、6月中に全国の自治体へ通知する予定であることを発表した。民泊の普及に伴うトラブルの増加を受けた方針転換であり、宮城・仙台を含む全国の民泊事業者や開業検討者にとって見逃せない動きとなっている。

「ゼロ日規制」容認とはどういうことか

住宅宿泊事業法(民泊新法)は、2018年6月の施行以来、届け出を行った事業者が年間最大180日を上限に一般住宅で宿泊サービスを提供できる制度を定めてきた。同法は条例による営業日数・区域の制限も認めているが、これまで観光庁は自治体が条例で営業日数をゼロ日とする「ゼロ日規制」については認めない姿勢をとってきた。

しかし今回、毎日新聞(Yahoo!ニュース掲載)の報道によれば、観光庁の村田茂樹長官が2026年6月17日に正式にこの方針転換を公表。「ゼロ日規制」を自治体が選択できるようにする通知を月内に発出する見通しとなった。同通知では、騒音計や監視カメラなどの設備設置を条例で民泊事業者に義務化できる内容も盛り込まれる予定だという。

この方針転換の背景には、全国的な民泊トラブルの急増がある。東京都新宿区では、民泊に起因する苦情が2021年度の70件から2025年度には924件へと急増したことが報告されており、同区は2026年4月から行政による民泊パトロールを開始している。

全国の届出件数と市場の現状

住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から約8年が経過した2026年5月時点で、全国の届け出住宅数は約4万745件に達している。特区民泊や旅館業法上の簡易宿所の一部を含めるとさらに多くの施設が存在するが、市場全体としては成長期から淘汰期へ移行しつつあるのが実態だ。

業界動向を分析した複数のデータによれば、住宅宿泊事業(民泊)の廃業率は36〜38%程度で推移しており、実稼働物件数は届出件数を大きく下回っている。また、訪日外国人旅行者数が高水準を保っているにもかかわらず、民泊の平均稼働率は2025年の業界推計で約45%前後にとどまっており、ホテル・旅館との競争激化や供給過多が影響しているとされる。

JTBグループの2026年旅行動向見通しでは、2026年の訪日外国人旅行者数を前年比2.8%減の4,140万人と予測。一方、日本人の国内旅行者数も前年比97.8%の3億700万人と微減傾向にある。国内旅行消費額は16兆2,300億円(前年比100.6%)と横ばいを維持しているが、旅行頻度が減って1回あたりの支出が増える「少頻度・高単価」シフトが進んでいる。

大阪の特区民泊終了と全国への波及

規制強化の動きは「ゼロ日規制」容認だけにとどまらない。全国の特区民泊の9割以上が集中していた大阪市では、2026年5月29日をもって特区民泊の新規受付が正式に終了した。すでに認定を受けた施設は引き続き営業できるが、これから大阪で新たに民泊を始める場合は旅館業法または住宅宿泊事業法のいずれかの枠組みを選ぶ必要がある。

こうした動きを受け、2026年は民泊事業者にとって「届け出ているだけでは安心できない」状況が明確になった年と位置づけられる。届出内容と実際の運営状況の一致、夜間・休日のトラブル対応体制、近隣への配慮といった管理体制の実質的な整備が、今後ますます行政の監督対象となる見込みだ。

宮城・東北の民泊事業者が注目すべき点

宮城県では2026年1月13日から宿泊税が導入された。1人1泊6,000円以上(税抜き素泊まり料金)の宿泊に対し、県分100円・仙台市内では市分200円を加えた合計300円が課税されている。民泊施設も課税対象となるケースがあり、価格設定や収支計画への影響が生じている。

「ゼロ日規制」が各地の自治体条例に波及した場合、東北エリアの自治体がどのような対応をとるかも今後の焦点となる。民泊・住宅宿泊事業を検討している方は、宮城県・仙台市を含む各自治体の条例動向を定期的に確認することが重要だ。規制強化が進む一方で、適切な管理体制を整えた事業者にとっては、競合の脱落による需要集中という追い風も生まれやすい環境にある。

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