タイ内閣が65か国・地域向けビザ免除制度を再整備、インドも30日無査証対象に追加
内閣が65か国・地域対象の新ビザ免除枠組みを承認
タイ内閣は2026年7月14日、65か国・地域を対象とする新たなビザ免除措置とビザ・オン・アライバル制度の見直しを承認した。政府副報道官のプロイタライ・ラクサメーサンチャン氏が発表した。The Nation Thailandが伝えた。
新制度の柱は「一国一ビザ特典」の原則であり、複数のビザ資格が重複していた従来の制度を整理・統一することを目的としている。新ルールの施行は、官報への掲載から15日後となる見通しだ。
EU全加盟国とインドが30日間無査証の対象に
今回の見直しで最も注目される点は、EUの全27加盟国が同一条件で30日間の無査証入国を受けることになる点だ。クロアチア、ブルガリア、キプロス、マルタ、マルディブ、そしてインドが新たに30日間無査証の対象国として追加された。これにより、EU加盟国全体で入国条件が統一される。
インドについては、これまで認められていたビザ・オン・アライバルの資格が取り消され、代わりに15日間のビザ免除が付与される。重複する資格の排除が目的だとされている。また、アゼルバイジャン、ベラルーシ、セルビアの3か国については、指定の入国審査ポイントでのビザ・オン・アライバルが引き続き認められる。
国家安全保障と観光振興のバランスを重視
プロイタライ副報道官は、今回の制度見直しの趣旨について、「観光機会を減らすことが目的ではなく、制度をより明確・適切かつ検証可能なものにするための調整だ」と説明した。経済刺激、旅行の利便性、国際関係、国家安全保障のバランスを保ちながら、ビザ制度が不法行為の抜け道として利用されることを防ぐ狙いがある。
新制度では、改良されたタイ・デジタル入国カード(TDAC)システムが導入される。これにより、外国人の入国審査時の記録照会や出入国履歴の確認が強化される。なお、新措置の施行前にタイに入国した外国人は、従来の許可条件に基づく滞在期間が終了するまで引き続き滞在が認められる。
60日間ビザ免除廃止からの制度整理が一段落
今回の承認は、2026年5月19日に93か国・地域を対象とした60日間ビザ免除制度が廃止されて以降、タイ政府が進めてきたビザ制度の抜本的な再整備の一環だ。外務省傘下の領事局が主導し、観光・スポーツ省など関連省庁と連携して見直し作業を進めてきた。外務大臣のシハサック・プアンケトケオ氏は、観光ビザにとどまらずタイの全ビザ区分を包括的に検討すると表明していた。今回の新枠組みにより、各国に対して一貫した入国基準が適用されることになる。

