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タイで移民の子どもを公教育から排除する憲法改正案が浮上、各方面から批判

公開日: 2026年6月24日

タイの野党・セタキット党が、公立学校における無償教育の対象をタイ国籍の子どもに限定するよう、憲法第54条の改正を提案したことが明らかになった。この提案は、移民労働者の子どもを公教育から事実上排除するものとして、各方面から強い批判を受けている。

提案の内容と背景

セタキット党の主張は、「納税者の資金はまずタイ国民に使われるべきだ」というものだ。同党は、移民・外国人の子どもが自費で学校教育を受けるようにすれば、タイ人学生により多くの教育リソースを振り向けられると説明している。

Bangkok Postの社説(2026年5月24日付)は、この提案の背景には予算上の懸念だけでなく、より深い排他的感情があると指摘する。タイ国内では、ソーシャルメディア上で移民に対するヘイトスピーチが増加しており、昨年のタイ・カンボジア国境紛争がナショナリズム的感情を一層刺激したと分析している。

「2005年・万人への教育」政策との矛盾

タイ政府は2005年、国籍や在留資格を問わず、タイ国内のすべての子どもに教育を保障する「万人への教育(Education for All)」政策を採択した。同政策は国際的に高く評価され、移民の子どもの社会的疎外や搾取を防ぐ重要な役割を果たしてきたとされる。

しかし同社説によれば、移民への教育機会に対する社会的圧力は近年着実に高まっており、一部の学校が移民の子どもの受け入れを拒否し始め、複数の移民学習センターが摘発・閉鎖される事態も起きているという。これにより数千人の子どもが就学機会を失っているとされる。

経済的・社会的観点からの反論

批判者たちは、この提案を経済的・社会的観点からも問題視する。タイはすでに高齢化社会に突入しており、労働力不足が深刻な課題となっている。同社説は、教育を受けた移民の子どもは将来的にタイ経済の重要な担い手になり得ると強調する。

また、タイには現在約410万人の移民労働者が就労しており、建設・農業・漁業・家事など幅広い産業を支えている。こうした移民なしにはタイ経済が立ち行かない構造にあると指摘されている。

同社説はさらに、移民への教育機会を否定することは「疎外感や不満、そして将来のより大きな社会問題を生み出す」という基本的な事実を無視するものだと論じている。教育こそが、移民の子どもを搾取・児童労働・人身売買・犯罪から遠ざける唯一の手段であるという見解も示している。

今後の行方

憲法改正には高いハードルがあるが、この提案が議会や社会で議論を呼んでいること自体が、タイ社会における移民排除の気運の高まりを示している。Bangkok Postは社説の中で、この提案を「断固として拒否されるべきだ」と明言し、移民の子どもも含めたすべての子どもへの教育機会の保障を改めて訴えた。

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