台湾が南向き政策でタイ・ブルネイ・フィリピン向けビザ免除を2027年7月まで延長
タイ・ブルネイ・フィリピン向けビザ免除を1年延長
台湾の外交部領事事務局は2026年7月19日、ニュー・サウスバウンド政策(新南向政策)の推進に向け、タイ・ブルネイ・フィリピン国籍のパスポート保有者を対象とする条件付きビザ免除プログラムを2027年7月31日まで延長すると発表した。Taipei Timesが2026年7月20日付で報じた。
ニュー・サウスバウンド政策は、台湾が東南アジア・南アジア諸国との経済・文化・人的交流を深めるために推進している外交・経済戦略であり、ビザ政策もその重要な柱のひとつとなっている。
カンボジアは対象から除外、外交上の言動が理由
今回の延長措置において、カンボジアは対象国から除外された。領事事務局の説明によれば、カンボジアが除外された理由は「外交上の言動(rhetoric)」に関する問題があったためとされている。具体的な経緯は明らかにされていないが、台湾当局は同国に対して条件付きビザ免除の継続を認めない判断を下した形となった。
一方、タイ・ブルネイ・フィリピンの3か国については、南向き政策への貢献が評価され、引き続き恩恵を受けることが決定した。各国との観光・ビジネス・人材交流の拡大を促進する狙いがある。
フィリピンとの相互ビザ免除:訪問者数に顕著な伸び
フィリピンとの関係においては、台湾は2017年11月からフィリピン国民に対して14日間のビザ免除入国を認めてきた。フィリピン側も2025年7月1日から台湾人旅行者向けに14日間のビザ免除を開始しており、相互免除体制が整備されている。
Taiwan Newsの2026年6月13日付報道によれば、台湾からフィリピンへの渡航者数は同政策導入以降に顕著に増加しており、2026年2月の台湾人訪問者数は前年同月比で79%増、第1四半期全体でも13.6%増を記録した。フィリピン入国管理局のデータでは、台湾人の訪問者数は2025年に計21万3928人に達し、前年比6.32%増となった。台湾の在フィリピン副代表・楊登仕氏は、ビザ免除延長が実現すれば2026年の台湾人訪問者数が30万人超に達する可能性があると述べた。
南向き政策の人的交流戦略における位置づけ
台湾政府はニュー・サウスバウンド政策において、観光・留学・労働力確保・ビジネス投資など多角的な交流促進を目指している。ビザ免除制度の維持・拡大は、東南アジア諸国との信頼関係を強化するうえで不可欠な施策とされており、今回の延長決定もその方針を改めて示したものとなる。
カンボジアの除外は、ビザ免除制度が単なる渡航利便性向上にとどまらず、二国間関係の良好度を反映する外交的メッセージとしての性格も持つことを示している。今後、カンボジアとの関係修復が図られた場合に制度が再適用されるかどうかが注目される。

