台湾教育省奨学金でインドネシア人学生86人が選出、1200人超が応募した競争率の高い枠
台湾の教育省(Ministry of Education、以下MOE)が実施する留学支援奨学金プログラムで、2026年度のインドネシア人受給者86人が正式に選出された。選考には1200人を超える応募があり、高い競争率を示した。Taipei Timesが2026年7月12日に報じた。
2種類の奨学金プログラムが対象
今回の選考対象となった奨学金は2種類ある。一つは「台湾奨学金(Taiwan Scholarship)」で、学部・修士・博士課程の学習を支援するもの。もう一つは「華語充実奨学金(Huayu Enrichment Scholarship)」で、1年間の中国語学習に資金を提供するプログラムだ。
台湾の在インドネシア代表機関である台北経済貿易弁事処(TETO)は2026年7月11日、首都ジャカルタで出発前オリエンテーションを開催した。このオリエンテーションでは、学生ビザの手続き、台湾での居住登録、キャンパス生活などについて説明が行われた。コロナ禍以降、対面形式での開催は今回が初めてとなる。オリエンテーションはジャカルタのBINUS大学と共同で開催された。
先輩留学生が語る「中国語力と就職」への効果
オリエンテーションには過去の受給者も招かれ、体験談を共有した。2024年度の華語充実奨学金受給者として淡江大学中国語センターで1年間学んだハンセン氏は、現在インドネシアで就職しており、台湾での学習が語学力とキャリアの両面で大きな助けになったと語った。中国語圏市場との交流が拡大する中、中国語の習熟がますます重要になっているとも述べた。
BINUS大学のネリー・S・コム学長は事前収録の映像メッセージの中で、台湾の高等教育機関との学術協力・交流を一層深めていきたいと述べた。
台湾の教育外交と人材誘致の戦略
MOEの鄭英耀(Cheng Ying-yao)大臣は、高度スキルを持つ人材の育成と誘致が台湾の国際競争力を維持する上で鍵になると強調し、引き続き取り組んでいくと述べた。インドネシアだけでなく、ベトナム、フィリピン、タイ、マレーシア、日本、インドなど多くの国からの学生が対象となっている。
また、台湾教育省・経済省・国家発展委員会・国家発展基金が2024年に共同で立ち上げた「INTENSE(国際産業人材教育特別)プログラム」もこうした取り組みの一環で、これまでに915人の国際学生を受け入れている。台湾は奨学金制度や産学連携プログラムを通じた教育外交を積極的に展開しており、インドネシアをはじめとする東南アジア諸国との人的交流を着実に深めている。
背景:台湾で急増する外国人留学生
台湾における外国人留学生は近年増加傾向にあり、14万人を超えたとの報告もある。台湾政府は奨学金拡充と受入れ環境整備を並行して推進しており、今回のインドネシア向けプログラムもその流れの一部だ。少子化・高齢化が進む台湾にとって、外国人留学生の受け入れは将来の労働力確保とも密接に結びついており、教育政策と移民・就労政策の接点として注目が集まっている。

