台湾が外国人教師の採用資格を拡大、2026年7月から公立校への配置申請が可能に
台湾の国家発展委員会(NDC)は2026年7月1日付けで、外国人専門人材の就労・居住環境をさらに整備する新たな措置を施行した。Taipei Timesが2026年7月2日に報じた内容によると、今回の措置は2025年に成立した「外国専門人材延攬及び雇用法(Act for the Recruitment and Employment of Foreign Professionals)」改正の第2フェーズにあたる。
外国人教師の採用申請が公式ルートで可能に
今回の施行により、資格を満たす学校は教育省(MoE)の「外国人教師就労許可申請システム」を通じて、正式に外国人教師の採用支援を申請できるようになった。これまでよりも手続きが整備・明確化され、外国人専門人材が台湾の教育現場に参画しやすい環境が整う。
国家発展委員会はこの措置について、「バイリンガル環境の整備、外国人材の誘致、そして台湾で働く外国人材への基本的権利の付与」につながるものと位置づけている。台湾政府はここ数年、AI・半導体産業を中心に高度外国人材の獲得を国家戦略の柱と位置づけており、今回の制度整備もその流れを受けたものだ。
永住権保有の外国人に障害・介護サービスを全面開放
今回の施行のもう一つの柱は、障害者サービスおよび高齢者向け長期介護サービスへのアクセス拡大だ。従来、この種のサービスを利用できる外国人は、日本・米国・カナダ・英国・シンガポールを含む12か国の国籍保有者と、「マッケイ・プログラム」(台湾に長期的な貢献をした人物を対象とした制度)の対象者に限られていた。
2026年7月1日以降は、台湾での永住権(APRC)を持ち、10年以上在住し、かつ毎年183日以上居住している外国人専門人材であれば、国籍を問わず、台湾国民と同等の条件で障害・介護サービスを受けられるようになった。
障害を持つ外国人居住者は、今後、区役所・市役所の窓口で障害認定と必要度評価の申請が可能となる。評価を経て、生活再建・心理的支援・地域生活支援・家族相談など、個別化されたケアサービスへのアクセスが認められる。
2025年改正法の第1フェーズとの連続性
今回の措置は、同改正法の第1フェーズ(2026年1月1日施行)に続くものだ。第1フェーズでは、外国人専門人材の就労・在留条件の緩和が中心で、具体的には台湾の大学卒業生が卒業後2年間は就労許可なしに台湾で働ける制度や、世界トップ200大学の卒業生への2年間オープン就労許可の付与などが盛り込まれていた。
台湾政府はこの法改正を通じて、外国人材が「単なる労働力」としてではなく、社会の一員として台湾に根を下ろせる環境を整備する姿勢を明確にしている。少子高齢化と労働力不足が深刻化するなか、高度人材の長期定着を促す制度基盤の構築は、今後さらに加速するとみられる。
今後の課題:低技能労働者との格差
一方で、今回の措置の恩恵を受けるのは主に永住権保有の高度専門人材に限られる。台湾には現在、製造・介護・漁業などに従事する外国人労働者が多数いるが、彼らの多くは労働基準法の適用外に置かれ、待遇改善や法的保護の観点で大きな課題が残る。高度人材への制度整備が進む一方で、低技能労働者に対する権利保護の拡充も引き続き求められている。
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