ホームHTP NOTESニュース > ミャンマー軍政、タイのMoU労働者に賃金25%の本国送金を義務化、未実施者は就労許可を不更新

ミャンマー軍政、タイのMoU労働者に賃金25%の本国送金を義務化、未実施者は就労許可を不更新

公開日: 2026年7月3日

ミャンマー軍政の労働省が、タイで政府間MoU(覚書)に基づいて就労するミャンマー人労働者に対し、外貨収入の少なくとも25%を国内銀行システムを通じて本国へ送金することを義務付けた規定の施行を本格化させたと、Irrawaddyが報じた。

規定の具体的な内容

労働省の発表によると、タイでのMoU就労契約(原則4年間)を満了し、さらに2年間の更新(「MoU Uターン」と呼ばれる制度)を希望する労働者は、過去3カ月間に基本給の25%以上をミャンマー国内の銀行口座へ送金した実績がなければ、就労許可証の更新申請が認められない。具体的な送金目安額は3カ月で6,000バーツ(月額給与の25%相当)とされている。

この規定は昨年9月に発令されていたが、軍政の労働省が2026年に入ってから実際の施行を開始したことで、多くの労働者に直接的な影響が及びはじめた。更新申請の窓口は、カレン州のミャワディおよびタニンタリ管区のカウタウンの2拠点に設けられているとされる。

150万人超のMoU労働者に影響

タイ政府のデータによると、タイに在住するミャンマー人移民労働者は合法的な就労者だけで約400万人にのぼる。このうちMoU労働者は約150万人と推計されており、今回の規定変更は膨大な数の労働者に関わる重大な政策変更といえる。

現地の送金実態を巡っては、MoU労働者の多くがこれまで「ハンディ」と呼ばれる非公式の送金システムを利用してきた実態がある。当事者の一人は「銀行口座を持っていないため、新たに開設しなければならない。非常に手間がかかる」と語る。

軍政の外貨獲得戦略との関係

在外雇用業者関係者は、「軍政はあらゆる事業を厳しく規制しているが、どの措置も効果を上げていない。外貨準備があると主張しているが実態は違う。だから移民労働者を搾り取ろうとしている」と批判する。また、「MoUや合法的な労働者をさらに制限すれば、より多くの人が非合法の形で働くことを選ぶようになる」と警告する。

ミャンマーでは軍政が徴兵法を発動したことを背景に、国外に脱出して就労しようとする若者が急増している一方、軍政は男性の海外渡航に制限をかけるなど矛盾した政策も打ち出してきた。今回の送金義務化は、内政の不安定さの中で外貨を確保しようとする軍政の意図を色濃く反映しているとみられる。

ご相談・お問い合わせはこちらから

お問い合わせする