ミャンマー軍政の徴兵法と出国規制で4万人超の出稼ぎ労働者が国内に足止め
ミャンマー軍政(国家行政評議会、SAC)が2024年2月に発動した強制徴兵法と、それに伴う一連の出国規制措置が、同国の出稼ぎ労働者市場に深刻な打撃を与えている。Irrawaddyの報道によると、2025年1月以降、徴兵対象として選定された男性は出国を禁じられており、海外就労に向けて準備を整えていた4万人超の正規書類取得済み男性労働者が出国を余儀なく断念している。
出国禁止の仕組みと対象者
2025年1月23日に導入された施行規則により、徴兵のための身体検査に合格し、入隊待機リストに登録された男性は出国を禁じられることとなった。この措置は、出国許可証(OWIC:海外労働者身分証)を既に取得し、日本やタイなどへの就労が決まっていた男性にも適用されている。
軍政の労働省は2025年2月中旬以降、説明なしにOWICの発行も停止した。就労機関の幹部によると、「日本やタイへの渡航チケットを購入していた労働者が多数おり、損失総額は30万米ドルを超えた」という。
語学・職業訓練に費やした準備が水泡に
海外就労には語学習得や職業訓練など長期にわたる準備が必要であり、規制の突然の発動は当事者に深刻な精神的・経済的ダメージを与えている。「今週、日本のレストランで働くための最終面接に合格した。書類の準備で帰宅したときにこのニュースを知った。すべての努力が水の泡になった」と、日本での就労を目指していたある若者はIrrawaddyに語った。
ヤンゴン国際空港では、正規のPJ(就労目的パスポート)と必要書類を所持していても出国を阻まれるケースが相次いでいる。ミャンマー旅行業組合の関係者は「主に22〜32歳の若者が標的にされているが、年齢に関係なく観光ビザ(PV)での出国は保証されない」と述べた。政府間覚書(MoU)に基づかない出国は、徴兵年齢の内外を問わず「ほぼ通過できない」状況だという。
出国できず帰国できず——往来の自由が完全に封鎖
問題はこれにとどまらない。一時帰国中の出稼ぎ労働者も帰国先への再渡航が困難になっている。従来は、送金証明書・納税証明・雇用主からの休暇承認書を提出すればOWICを再申請して海外の職場に戻れたが、その仕組みも機能しなくなっている。
さらに、送金法の規定により、政府間MoUに基づきタイで就労するミャンマー人労働者は外貨収入の少なくとも25%を公式銀行システムを通じて送金し、10%の所得税を納付する義務を負う。この公式レートは市場実勢レートを大幅に下回るため、労働者にとっては実質的な収入カットとなっている。
違法越境の増加と人身売買リスク
正規ルートが閉ざされる中、違法な国境越えによる就労を試みる動きが加速している。ある海外就労機関の管理者は「彼らはあらゆる手段で出国しようとする。違法越境を考える者が増える。不法労働者として逮捕・虐待のリスクを冒すことになる」と警告した。2024年9月には、タニンダーリ国境を越えてタイへの就労を試みた27人のグループがミャンマー当局に引き渡され、その後軍に徴兵されたという事例も報告されている。徴兵逃れを目的とした出国者が、かえって兵役に取り込まれる矛盾した現実が浮かび上がっている。
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