韓国法務部が外国人労働者の人権保護専門チームを新設、賃金未払いや暴力への対応を強化
韓国法務部は2026年6月1日、外国人労働者の人権侵害に対応する専門組織「移住労働者人権・利益保護チーム」を韓国出入国管理局の下に正式に発足させたと発表した。賃金未払い、暴言・暴力、違法仲介、劣悪な住環境などの被害を監視し、迅速に対応する中核機関として機能する。
「外国人労働者は社会の貴重な一員」と法務部長官が強調
鄭誠鎬(Jeong Seong-ho)法務部長官は「移住労働者は私たちの社会の貴重な一員だ」と述べ、「人権侵害を防止し、侵害が発生した際には迅速な保護と救済を提供するシステムを構築することで、安全で尊重される労働・生活環境を実現する」と表明した。Korea Heraldによれば、同チームは6月1日から業務を開始している。
新設チームは外国人労働者が虐待を通報し、カウンセリングを受け、関係政府機関と連携して解決策を求めることを支援する。また労働者向けの教育・情報提供や、移住者の福祉に関する政策改善提案も行う。法務部は、職場での権利侵害に対する迅速な対応体制の構築と、個別事案への直接調査を含む実質的な保護強化に重点を置くとしている。
外国人労働者の虐待事案が続発、政府が包括的対応へ
今回の措置は、移住労働者に関わる虐待報告が続いていることを受けたもので、政府はビザ登録から地域社会への定着までの移住プロセス全体をカバーする「包括的かつ体系的な対応」を追求していると法務部は説明した。
法務部は地方自治体、雇用労働部、移住労働者支援団体と連携し、外国人労働者が韓国により良く定着できるよう支援する方針だ。韓国では2025年時点で移民労働力が110万人を超えており、製造業・農業・水産業などの現場で不可欠な存在となっている。一方で、雇用主による暴行や賃金不払い、転職制限による違法滞在化などの問題が指摘されてきた。
移住者の権利保護を求める声が高まる中での制度整備
韓国では外国人労働者が雇用主に縛られるビザ制度により、虐待を受けても転職が困難で泣き寝入りするケースが多いとの批判が続いている。2026年4月には、バングラデシュ人労働者が雇用主から繰り返し平手打ちされる映像が公開され、被害者自身が「韓国語が上手でも虐待は防げなかった。言語の問題ではなく、小さなミスでも激しく叱責されたり暴力を受けたりする」と証言していた。
今回の専門チーム発足は、こうした現場の声に応える形での制度整備の一環とみられる。法務部は今後、関係省庁や支援団体と連携し、外国人労働者の人権保護を実効的に進める構えだ。
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