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韓国の外国人労働者向け多言語通報ホットライン、開設1か月で被害報告が6倍超に急増

公開日: 2026年7月6日

韓国法務部は2026年7月6日、外国人労働者の人権侵害被害を報告するために設置した専用多言語ホットラインに対し、開設から1か月間で142件の報告が寄せられたと発表した。これは従来の月平均22件と比較して6倍以上に相当する急増ぶりである。

20言語に対応する専用窓口を新設

この通報窓口は既存の「1345移民コンタクトセンター」の機能を拡充する形で2026年5月27日に運用を開始した。外国人労働者が賃金未払い・性的ハラスメント・暴行・パスポート没収・強制労働などの被害を20言語で報告できる専用ラインとして整備された。従来は被害の種類ごとに異なる担当機関に個別に連絡する必要があったため、言語的・制度的なハードルが高く、被害申告そのものを断念するケースが多かったとされる。

通報は全国19か所の入国管理局に配置された移民人権保護担当官、外国人向け村弁護士、地域労働局、人身売買被害者支援団体などへ連携・引き継ぎされる仕組みとなっている。センターには108人のカウンセラーが在籍し、ビザ・在留関連の相談や公的機関への紹介、第三者通訳サービスも提供する。

報告件数急増が示す「申告しやすい環境」の効果

法務部は、報告件数の急増は新たな被害の発生を示すものではなく、申告のしやすさが改善されたことにより、これまで泣き寝入りしていた被害者が声を上げやすくなったことを示すと分析している。

この通報ホットラインの整備は、韓国出入国・外国人政策本部(Korea Immigration Service)が2026年3月に設置した「移民人権保護タスクフォース」の活動と連動している。同タスクフォースは不当な扱いの報告を調査し、必要に応じて被害者への行政的支援を行うことを目的としている。また、2025年11月には、ビザが失効している外国人労働者が賃金未払いの被害者である場合、公務員がその在留資格違反を通報する義務を免除する措置も導入されており、被害者が在留資格を失うことを恐れずに助けを求めやすい制度的環境の整備が進んでいる。

背景:制度的制約が生む構造的脆弱性

韓国の外国人労働者は主に、17か国の国籍者を対象とした非専門就業ビザ(E-9ビザ)のもとで製造・農業・建設・水産などの分野に従事している。同ビザの保有者数は30万人超に上る。しかし、現行制度では雇用主との結びつきが強く、転職が厳しく制限されているため、劣悪な職場環境や暴力・賃金未払いなどの被害を受けた場合でも職場を離れることが実質的に困難とされてきた。

こうした制度上の問題は外国人労働者による各種の抗議活動でも繰り返し指摘されており、今回の通報件数の急増はその潜在的な被害規模の大きさを示す一端として注目される。法務部は今後も現場の声を反映しながら、外国人労働者保護のための制度整備を継続する方針を示している。

出典:The Korea Herald(2026年7月5日付)

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