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韓国がデジタルノマドビザを正式導入、所得要件を緩和し地方居住者に優遇

公開日: 2026年7月21日

韓国法務部は2026年6月30日、いわゆる「ワーケーションビザ」とも呼ばれるデジタルノマドビザ(F-1-D)を正式に運用開始した。海外企業に雇用されながら韓国でリモートワークを行う外国人を対象とした同ビザは、2024年1月から2026年5月まで実施されたパイロットプログラムの成果を踏まえ、より利用しやすい形へと刷新された。

ビザの基本的な仕組みと正式運用の概要

Korea Heraldの報道によると、F-1-Dビザは韓国国内の雇用主への就労を要件とする通常の就労ビザとは異なり、海外企業に雇用されたまま韓国国内でリモートワークを行う外国人に対して在留資格を付与するものだ。

正式ローンチにあたり、法務部はパイロットプログラム時点の要件と比べ、申請ハードルを引き下げた。具体的な緩和内容は以下のとおりだ。

  • 所得要件の引き下げ:パイロット期間中は「前年の韓国1人当たり国民総所得(GNI)の2倍以上」が原則として求められていたが、正式版では年齢や居住地によって異なる下位基準が適用される
  • 地方居住者への優遇:首都圏(ソウル・仁川・京畿道)以外の地域や、人口減少指定地域に居住する申請者に対しては、さらに低い所得基準が設けられる

背景:韓国の人口減少対策としての戦略的位置付け

韓国政府がデジタルノマドビザの正式導入に踏み切った背景には、深刻化する地方の人口減少と労働力不足への対応がある。法務部はパイロットプログラムの評価を経て、要件の見直しを行い、より多くの外国人リモートワーカーが韓国を生活・就労の拠点として選べるよう制度設計を改めた。

韓国は2026年、E-9非熟練労働者ビザの新規発給枠を8万人に削減するなど、外国人労働者政策の選別化を進める一方、高度・専門人材の誘致には積極的な姿勢を見せている。F-1-Dビザは、その流れの中でリモートワーカーという新たな人材層を取り込むための施策として位置付けられる。

運用開始後の意義と課題

デジタルノマドビザは、海外企業に雇用される形でグローバルに活動する専門人材が急増する中、こうした層に法的な在留資格を提供する点で画期的だ。韓国は、アジア太平洋地域でこのカテゴリーのビザ制度を整備した国の一つとなった。

一方で、所得証明の方法や、長期的な定住につながる在留資格へのパスウェイが十分に整備されているかどうかについては、今後の運用の中で検証が求められる。法務部は引き続き、外国人労働者や専門人材が「死角地帯なく」支援を受けられる統合サポートシステムの構築を進めるとしている。

韓国でのリモートワーク生活に関心を持つ外国人にとっては、従来の観光ビザや就労ビザでは対応しきれなかった「海外企業に勤めながら韓国で暮らす」というニーズに応える制度が、ようやく正規ルートとして整ったことになる。

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