インドネシア政府がビザ免除制度の見直しを検討、外国人による詐欺・賭博事件が相次ぎ発覚
インドネシア政府は2026年5月、現行のビザ免除(ウェイバー)制度について抜本的な見直しを検討していることを明らかにした。直接のきっかけとなったのは、ビザ免除を悪用してインドネシア国内で違法なオンライン賭博や詐欺事業を展開する外国人グループが相次いで摘発されたことである。
相次ぐ摘発:首都圏・スラバヤ・バタムで500人超を逮捕
The Jakarta Postの2026年5月15日付報道によると、当局は西ジャカルタのオンライン賭博拠点と、リアウ諸島州バタムおよび東ジャワ州スラバヤの詐欺シンジケートを一斉に摘発し、500人を超える外国人を逮捕した。また、西ジャカルタの最新の摘発では、逮捕された外国人320人の大半が、観光滞在許可またはビザ免除・アライバルビザで入国していたことが判明している。
入国管理局長のヘンダルサム・マラントコ氏は、「過去数週間で、外国人が関与するサイバー犯罪シンジケートに対する摘発が合計5件あった」と述べた。逮捕された外国人の多くは、ベトナムやカンボジア出身者であり、両国の市民はASEAN加盟国として30日間のビザ免除入国の対象となっている。
ビザ免除の対象国と現行制度の概要
現行制度では、ASEAN全加盟国の市民に加え、スリナム、香港、コロンビア、トルコ、ブラジル、ペルーの市民もビザ免除の対象となっている。入国管理当局によると、摘発が相次いだことで、これらの対象国から入国する外国人のビザなし入国制度を評価する必要性が生じているという。
ヘンダルサム局長は声明の中で、「違法行為に関与する外国人の存在が、ビザ免除対象国の市民を含め、制度の評価を必要としている」と述べた。また、「インドネシア領土に入国できるのは、利益をもたらし、公共の安全を脅かさない外国人に限る」と強調した。
保証人制度にも疑惑の目、当局が15人を特定
入国管理当局は、摘発された外国人の一部のビザを保証した人物として15人の保証人を特定しており、こうした保証人ネットワークを通じた入国管理の抜け穴にも対応を強化する構えを見せている。
今回の問題は、インドネシアが外国人投資家やデジタルノマドを積極的に誘致しようとする中、ビザ緩和政策と不法入国・違法就労のリスクをどう両立するかという課題を改めて浮き彫りにしたものと言える。政府は観光振興と治安維持のバランスを保つため、制度設計の再検討を続けている。
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