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元教育大臣ナディエム・マカリム、クロームブック調達汚職で禁固10年の判決

公開日: 2026年7月3日

インドネシアのジャカルタ汚職裁判所は2026年6月30日、元教育大臣ナディエム・マカリム被告(元ライドシェア大手Gojek共同創業者)に対し、全国の学校向けクロームブックノートパソコン調達をめぐる汚職事件で禁固10年の実刑判決を下した。

裁判所が認定した損害額と賠償命令

判決によると、ナディエム被告は教育大臣在任中(2020〜2022年)、学校デジタル化プログラムの一環として実施された100万台超のノートパソコン調達において、クロームブックのみに適合するよう入札仕様書を変更することを承認し、国家に1兆5700億ルピア(約8760万米ドル)の損害をもたらしたと認定された。

裁判所はさらに、禁固刑に加えて10億ルピアの罰金および8090億ルピア(約4540万米ドル)の賠償金の支払いを命じた。ナディエム被告はこの賠償額について「支払い不能」と述べている。

なお、当初検察は禁固18年と5兆6000億ルピアの賠償を求刑していたが、裁判所はこれを大幅に下回る判決を言い渡した形となった。

調達事業の問題点:農村部でのインターネット環境の欠如

判決文を読み上げた裁判長メディアントス判事は、「クロームブックの調達はインターネット環境が整っていない多くの地域で機器が使用できなかったため、最適な結果をもたらさなかった」と指摘した。インドネシアの地方・辺境・後進地域の学校に向けた同プログラムは、デジタル教育の推進を目的としていたが、現地のインフラ整備が追いつかない中での調達が批判を招いた。

検察側は、ナディエム被告がGojek創業者としてGoogleから受けた投資関係を通じて個人的利益を図り、調達方針を誘導したと主張していた。一方、Googleは「Gojek関連企業への投資はインドネシアの教育分野における取り組みとは無関係だ」として、本件への関与を明確に否定している。

裁判官1名が反対意見、社会的波紋も広がる

5人の裁判官で構成される合議体のうち、アンディ・サプトラ判事は反対意見を表明した。同判事は「ナディエム被告が悪意をもって行動したか、または汚職を行ったという説得力ある証拠を見いだせない」と述べ、有罪認定に異議を唱えた。

本裁判は、インドネシアの若い高学歴人材の帰国意欲にも影響を与えている。海外で学ぶインドネシア人学生の間では、「誠実な人材が国家から傷つけられるケースを見ると、帰国して貢献することへの恐怖を感じる」との声も上がっており、優秀な人材の海外流出(ブレインドレイン)をめぐる議論を呼んでいる。

教育省デジタル化政策への影響

本件は、インドネシアの教育行政における大規模調達の透明性と、教育DX政策の実効性に関する問いを改めて社会に突きつけた。ナディエム被告は2019年、当時のジョコ・ウィドド大統領(通称ジョコウィ)によって技術系起業家として登用され、2024年まで教育大臣を務めた。弁護側は、クロームブック調達は過去の2件の政府監査でも問題なしと判断されていたと主張しており、今後控訴する見通しとみられている。

出典:The Jakarta Post

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