リビアで血まみれ動画を拡散したインドネシア人出稼ぎ労働者、外務省が安全を確認
インドネシア外務省は2026年6月29日、リビアで働く出稼ぎ労働者の女性AJ(イニシャル)が血まみれに見える顔を映した動画をSNSで拡散させ、帰国を懇願した件について、在トリポリのインドネシア大使館を通じて安全を確認したと発表した。
拡散した動画の内容と大使館の対応
AJが投稿した約1分間の動画には、血が付着したように見える顔をした女性が、血のにじんだタオルを顔に当てながら自身の置かれた状況を訴える姿が映っていた。動画はSNS上で週末にかけて急速に拡散し、インドネシア国内で広範な関心を集めた。外務省の市民保護局は声明の中で、「大使館はAJが現在安全で健康状態も良好であり、負傷を負っていないことを確認した」と述べた。大使館はAJ本人のほか、雇用主および現地当局とも連絡を取り、事案の詳細を把握するための調査を進めている。
非正規仲介業者を通じた派遣が背景に
外務省の調査によると、AJは2025年3月から東部リビアのベンガジで就労していた。問題の核心として指摘されているのが、非正規の仲介業者(スポンサー)を通じた派遣であり、公式の採用ルートを経ていなかったことが確認されている。AJ自身は動画の中で、採用エージェントが自分の雇用終了要求を繰り返し無視してきたと訴え、リビアに到着してから1年以上にわたり、身体的・精神的限界を超えた状態で働かされてきたと述べた。さらに過去3か月間にわたり給与を支払われておらず、二つの家庭で強制的に働かされているとも主張した。
大統領への直訴と今後の対応
AJはプラボウォ・スビアント大統領に対して直接帰国を求める訴えを動画の中で行い、インドネシア国内で大きな反響を呼んだ。外務省はこの件について、「インドネシア大使館はトリポリを通じて、関係各方面および現地当局との調整を継続する」と表明している。この事案は、インドネシアにおける海外出稼ぎ労働者の保護問題を改めて浮き彫りにするものとして、国内メディアで広く取り上げられた。
- AJは2025年3月からベンガジに派遣されていた
- 非正規仲介業者を通じた派遣が確認された
- 過去3か月の給与未払いと二世帯での強制労働を訴えた
- 外務省は引き続き現地当局と連絡を取り調査を継続している
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