マレーシアで入国管理違反のインドネシア人90人、独立記念日前に一斉送還
インドネシア在ジョホールバル総領事館は2026年7月15日、マレーシアの入国管理収容施設に拘留されていたインドネシア人90人を、リアウ諸島州バタムのバタムセンター港に送還した。The Jakarta Postが2026年7月22日に報じた。
独立記念日を前にした「人道的贈り物」
今回の送還は、インドネシア独立記念日(2026年8月17日)を前にした記念行事の一環として実施された。ジョホールバル総領事館は渡航費用を全額負担し、1人あたり135リンギット(約32米ドル)のフェリー代と港湾税を支出した。
領事館の外交官ダニア・アフィニ・レスタルティ氏は、「妊婦・子ども・障害者・高齢者といった脆弱な立場のインドネシア人を最優先に支援している」と述べた。送還された90人の内訳は成人男性53人、成人女性26人、男児2人だった。
ペカン・ネナス収容施設が主な出所
送還はジョホールバルのストゥラン・ラウト港からバタムセンター港へのフェリー輸送で実施された。送還者の大半は、ジョホール州ペカン・ネナスにあるマレーシア入国管理収容施設(DTI)からの出所者だった。今回の送還者の中には、マレーシアの漁業法1985年に基づく境界侵犯容疑で起訴されたものの、後に無罪となったインドネシア人漁船長2人も含まれていた。
また、就職先が見つからずに総領事館の一時シェルターに滞在していた女性出稼ぎ労働者4人と、入国管理手続き後に家族と再会した子ども3人も今回の帰国グループに加わった。
大使館が正規手続きを通じた渡航を呼びかけ
駐マレーシア大使のラデン・ダト・モハマド・イマン・ハスカルヤ・クスモ氏は、マレーシアで就労を希望するインドネシア人に対し、正規の送り出し手続きを踏み、非正規のルートを避けるよう強く求めた。また、不法滞在状態にある労働者には、ブローカーを頼るのではなく、マレーシア政府が設ける公式の移民帰還プログラムを活用するよう呼びかけた。
総領事のシギット・S・ウィディヤント氏は、2026年7月から8月中旬にかけて、独立記念日の記念行事の一環として、脆弱な立場の被送還者に対するフェリー代と港湾税の負担を総領事館が引き続き行うと説明した。次回の送還時期については、入国管理収容施設からの連絡を待っている段階だとしている。
マレーシアでのインドネシア人送還は継続的な課題
インドネシアとマレーシアの間では、入国管理違反を理由とした送還が繰り返し発生している。2025年の送還者数は約6000人に上り、そのうち約60パーセントが入国管理違反を理由としていた。総領事館は恒久的な解決策として、国境を越える労働者スキームの創設をマレーシア側に提案しており、両国間の外交交渉で継続的に議論が行われている。なお、送還された人々の帰国後の支援は、バタム市の移住労働者保護サービスポスト(P4MI)や入国管理局が担っている。

