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中国最高裁が建設業の司法解釈を公布、出稼ぎ労働者の賃金不払い根絶を明文化

公開日: 2026年7月3日

中国最高人民法院は2026年6月29日、建設市場の秩序回復と出稼ぎ労働者(農民工)の賃金権益保護を目的とした司法解釈を正式に公布した。China Dailyが同日伝えた。

23条の司法解釈、建設市場の問題点を列挙

今回の司法解釈は計23条で構成され、建設業界が長年抱える構造的な問題に対して具体的な法的指針を示した。

  • 入札・発注段階での談合や価格不正競争の禁止
  • 落札確定前の実質的な交渉の禁止
  • 出稼ぎ労働者への賃金の適時かつ全額支払いの義務化
  • 裁判所・政府機関・社会団体による連携強化の要求

最高裁判事の陳氏は「談合や入札者と発注者の共謀といった非倫理的慣行は市場競争を歪め、全国統一市場の形成を妨げている」と指摘した。同解釈には、こうした違法行為の根絶に向けた明確なガイダンスが盛り込まれた。

農民工の賃金不払い問題が背景に

中国の建設業では、下請け構造の複雑さや支払いサイクルの長期化を背景に、出稼ぎ労働者への賃金不払い(欠薪)が慢性的な社会問題となってきた。

今回の解釈について陳氏は、「農民工は賃金不払いに最も脆弱な立場に置かれており」、建設工事の遅延が企業の財務安定性だけでなく労働者の生活にも直接影響すると強調した。司法解釈は、賃金不払いの根絶を「人民のための司法の核心的責務」と位置づけている。

また、今回の司法解釈は中国の第15次五カ年計画(2026〜2030年)と連動しており、同計画が建設分野に求める安全・快適・環境配慮・スマート化の目標とも整合している。

移送労働者3億人超の保護に向けた法整備

中国国家統計局のデータによると、2025年末時点で全国の農民工(出稼ぎ労働者)の総数は約3億115万人に達しており、このうち都市部に居住するものは1億3000万人を超える。

政府はこれまでも賃金不払い対策として、人力資源・社会保障省や各地の労働組合を通じた取り組みを推進してきた。しかし最高裁レベルでの司法解釈の公布により、行政対応から法的強制力を持つ制度的な枠組みへと保護体制が強化される形となった。

今後の課題:制度的撲滅に向けた連携

陳氏は「目標は、労働者が不当な遅延なく報酬を受け取れる、法的根拠に基づく包括的なシステムの確立だ」と述べた。裁判所・政府機関・社会組織が三位一体で連携することで、従来の縦割り構造を超えた実効性のある保護が期待される。

建設業界に関わる農民工の賃金問題は、毎年春節前後に社会問題化することで知られており、今回の最高裁による解釈公布は、その構造的解決に向けた重要な一歩として注目される。

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