不法就労、SNS活用で摘発強化へ、入管庁が対策を大幅転換
入管庁が不法就労対策を急転換、複数施策を一括推進
不法残留者は2026年1月時点で6万8000人ほどいると指摘される中、2026年5月22日、出入国在留管理庁は「不法滞在者ゼロプラン」の強化策を正式に公表しました。これまで対象外だった不法就労への監視体制が大幅に強化される転換点となります。
強化策の主な内容は、入管庁による摘発体制の拡充です。不法残留者を摘発する入国警備官は50人ほど増やすほか、入国審査官もおよそ180人増やすと発表されています。

SNS自動分析で「隠れた求人」を可視化
注目される取り組みが、SNS上のやりとりを自動で分析し、不法就労に誘う動きなどを早期に発見して摘発につなげるという施策です。インターネット上のパトロールを専門とする部署の創設も検討するとされており、デジタル領域での違法行為を組織的に取り締まる体制が構築されようとしています。
中日新聞による 「移民ビジネスを追う」シリーズの調査では、匿名のフェイスブック「プライベートグループ」で不法就労の求人・求職情報が飛び交っている実態が報道されています。SNS分析体制の整備は、こうした 隠匿的な人材仲介ネットワークへの対策として機能すると見られます。
企業への厳格化が急速に進行
不法就労の実態調査や在留外国人の増加で逼迫する在留資格審査の迅速・厳格化につなげるため、人的体制強化が急速に進んでいます。採用側の企業に対しても、雇用主への取り締まり強化が明示されており、在留カード確認の厳格化が求められる状況です。
2026年に入り、不法就労に対する監視の目がかつてないほど厳しくなっていますと指摘されるなか、茨城県が独自の「通報報奨金制度」を検討するなど、自治体レベルでの摘発強化も進む状況です。
雇用管理の不徹底が露呈、届け出件数で課題が可視化
厚生労働省の統計から、企業側の雇用管理体制に対する警告も強まっています。1年間に確認された未届けの件数が過去5年間で7.5倍に急増したことも判明。一部の事業主による不適切な運用実態が浮き彫りになったとされており、
政府は届け出が徹底されなければ不法就労の是正は困難だとしており、改善が課題となっているという見方もあります。
人材不足と違法行為の相互作用が根本課題
中日新聞の 現地取材によれば、不法就労者の多くは借金を返済するため、あるいは家族を支えるために在留期限を超えて働き続けています。一方、企業側も人手不足の圧力下で、在留資格の確認を形骸化させる傾向が指摘されています。
偽変造在留カード等行使者、偽装滞在者、誤用・濫用的難民等認定申請者、失踪技能実習生、仮放免者等が不法就労するなど、その態様は多様化し、手口が悪質・巧妙化していますという状況下で、警察庁、法務省、出入国在留管理庁及び厚生労働省は、不法就労等外国人を取り巻く現状認識を共有するとともに、第一線機関においても、その連携を更に強固にし、より積極的に対策に取り組んでいるとされています。
宮城県の企業においても、外国人材採用を検討する際には、求人サイトやSNSでの募集内容の合法性確認、在留資格の厳格な審査体制の構築が急務となっています。

