育成就労制度の日本語要件が段階的に明確化、企業の教育計画が急務に
制度改正の背景
出入国在留管理庁は2026年8月5日に「育成就労制度運用要領」を更新しました。2027年4月の制度開始を控え、外国人材の日本語要件に関する最新情報が整備されています。
育成就労制度のゴールは「3年間で特定技能1号水準に到達できる人材を計画的に育てること」であり、技能と日本語の両面で、段階ごとに達成すべき基準が法律で定められています。

入国時と段階的な日本語要件
在留資格「育成就労」には就労開始時点の日本語能力に関する要件があり、就労前に日本語能力A1相当以上試験に合格(日本語能力試験N5レベル)が必須です。育成就労制度では、1年以内にA1、3年でA2が目標とされています。
育成就労の修了段階では、日本語能力A2.2相当以上(日本語能力試験N4相当)が必須となります。具体的には、以下の段階を踏むことが求められます:
- 入国時:A1相当(JLPT N5レベル)の試験合格
- 1年経過時:A1相当の日本語能力試験の受験
- 修了時:A2.2相当(JLPT N4レベル)以上の試験合格
分野別の上乗せ基準
すべての分野が同じ基準というわけではありません。介護分野と鉄道分野(運輸係員)については、就労前に日本語能力A2.2相当以上試験に合格(日本語能力N4レベル)が必須とされています。
介護分野では人命に直結する業務であるため、入国時にA1(N5)相当に加え、介護日本語評価試験の合格が必要であり、1年経過時にはN4相当、特定技能移行時もN4相当+介護日本語評価試験の合格が求められます。
企業に義務付けられる日本語教育
2027年4月から導入される育成就労制度では、外国人への日本語教育支援が受け入れ企業側の「義務」とされています。これは従来の技能実習制度との大きな違いです。
育成就労制度では、日本語講習について「100時間等」という表現が用いられており、これは単に「100時間やればよい」という意味ではなく、100時間を目安とした一定量の講習を含む認定日本語教育機関の「就労」過程の内容で、双方向性がある授業(対面・オンライン問わず)であることが要件とされています。
費用は、受入側か監理支援機関が負担し、オンライン受講も可能(条件あり)とされています。
企業担当者が今すぐ確認すべきポイント
試験の合否が在留資格そのものに直結するため、不合格が続けば、転籍制限や在留更新への影響が生じる可能性があります。受け入れ企業にとって、日本語教育はもはや制度運用の根幹となります。
特に以下の点に注意が必要です:
- 出入国在留管理庁の公式サイトで最新の運用要領を定期確認すること
- 自社が受け入れを予定している分野に上乗せ基準がないか確認すること
- 入国前から修了時までの3年間を見通した日本語教育計画を策定すること
- 認定日本語教育機関との連携体制を整えること
2027年4月の制度開始まで、あと8ヶ月。企業の人事・総務担当者は、日本語教育の計画立案と体制整備を急ぐ必要があります。

