政府・自民党、外国人のマンション規制見送り、実態把握優先
政府・自民党は2026年6月4日、外国人によるマンションなど不動産の取得規制を当面見送る方針を決定した。実態把握に時間がかかることやWTO(世界貿易機関)の「内外無差別」原則との整合性が課題となっており、まずは調査とデータ集積の環境整備を優先する。
自民党提言で規制見送りを明記
自民党の外国人政策本部(新藤義孝本部長)は4日、政府への提言をまとめ、「国土交通省が実施する国籍情報を含むマンション取引実態調査の結果も踏まえ、改めて取得規制を検討する」姿勢を示した。夏の外国人政策とりまとめでは、規制強化には踏み込まない内容となる。
背景には、2026年の通常国会で「外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案を策定する」との連立政権合意書があるが、現時点では具体的な規制導入までには至らなかった。

国籍情報の把握は2026年度から開始
一方、制度整備は段階的に進んでいる。法務省は2025年12月16日、土地や建物といった不動産を個人が取得する際に国籍情報の提供を義務付けると発表し、パブリックコメントを経て2026年度に運用を始める。登記の申請書に国籍を記入する欄を設け、パスポートや住民票など国籍が確認できる本人確認書類の提出を求める。
国籍情報は内部情報として保有し、個人のプライバシーなどに配慮して登記簿には記載しない。さらに、デジタル庁は国籍情報を政府内で共有するデータベースを2027年度にも整備する予定だ。
外国人材採用企業への影響
外国人材を採用する宮城県内の企業にとって、外国人社員の住居確保は重要な定着支援策の一つとなっている。今回の規制見送りにより、当面は従来通り外国人材が賃貸住宅や持ち家を取得しやすい環境が維持される見通しだ。
ただし、今後の国土交通省によるマンション取引実態調査の結果次第では、将来的に規制導入の可能性もあるため、外国人材の住居支援を行う企業や支援機関は、政府の動向を注視する必要がある。
仙台市でも外国人材向け住居支援を継続
仙台市内の介護サービス事業者が外国人を入居させるための借家などを借り上げ、その経費を法人が支出した場合、または住居に係る家賃などを負担した場合に市が補助金を交付する制度が2026年度も継続実施されている。対象となる在留資格は「介護」「特定技能」「技能実習」「特定活動」「留学」で、継続して雇用されている期間が雇用が開始された日が属する年度の初日から起算して3年を超えない者が対象となる。
東北地域では外国人材の住居確保が採用・定着の鍵となるため、こうした自治体の支援策を積極的に活用することが求められる。
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