介護分野の特定技能外国人、全国で6万2400人と前年比54%増【2026年3月末】
介護分野で働く特定技能外国人が2026年3月末時点で6万2,400人に達し、前年同期の4万500人から54%増加したことが厚生労働省の集計で明らかになった。介護人材の不足が深刻化する中、特定技能制度を活用した外国人材の受入れが全国的に拡大している。
特定技能外国人が介護現場で急増
厚生労働省によると、介護分野の特定技能外国人は2024年3月末の2万8,600人から2年間で2倍以上に増加した。特定技能制度が2019年4月に開始されて以来、介護は最も受入れが伸びている分野の一つとなっている。
在留資格別では、介護現場で働く外国人材全体(2026年3月末)は約14万人となり、その内訳は特定技能が6万2,400人(44.6%)、技能実習が4万1,200人(29.4%)、介護福祉士の資格を持つ者が2万3,800人(17.0%)、EPA(経済連携協定)が1万2,600人(9.0%)となった。
国籍別では、ベトナムが2万8,900人(46.3%)で最多、次いでインドネシア1万4,700人(23.6%)、フィリピン9,200人(14.7%)、ミャンマー5,800人(9.3%)、中国2,400人(3.8%)の順となった。

東北地方でも受入れ加速
東北地方の介護施設でも、特定技能外国人の受入れが加速している。東北6県の介護分野における特定技能外国人は2026年3月末時点で2,840人となり、前年同期の1,620人から75%増加した。
県別では、宮城県が892人と最多で、次いで福島県654人、岩手県487人、山形県358人、秋田県254人、青森県195人となった。宮城県内では仙台市が412人、石巻市78人、大崎市64人、名取市52人と続き、仙台市が県全体の46%を占めている。
宮城県内の介護施設では、育成就労制度の2027年度本格施行を見据えて、外国人材の受入れ体制整備を進める事業所が増加している。日本語教育プログラムの導入や、通訳翻訳サービスの活用、外国人材向けの住宅確保支援などが進められている。
人手不足と受入れニーズの高まり
介護分野では、団塊の世代が75歳以上となる2025年を迎え、介護人材の需要が急増している。厚生労働省の推計では、2025年度に必要な介護職員数は約243万人とされるが、現状では約32万人が不足しているとされる。
特定技能制度では、介護分野の受入れ上限は設定されておらず、今後も外国人材の採用が拡大する見通しとなっている。2024年3月の制度改正により、特定技能2号への移行が可能になったことで、長期就労を希望する外国人材にとっても魅力が高まっている。
日本語能力と専門性の確保が課題
一方で、介護分野では利用者とのコミュニケーションが重視されるため、外国人材の日本語能力向上が課題となっている。特定技能の介護分野では、日本語能力試験(JLPT)N4レベル以上、または介護日本語評価試験の合格が求められる。
東北地方では、2026年第1回JLPT(7月実施予定)の受験者数が前年比31%増の4,210名となるなど、外国人材の日本語学習ニーズが高まっている。宮城県内の日本語学校では、登録日本語教員129名が新制度で認定され、教育体制の強化が進んでいる。
育成就労制度との連携
2027年度に本格施行される育成就労制度でも、介護は対象分野の一つとなる見込みである。技能実習制度から育成就労制度への移行により、より体系的な人材育成と長期的なキャリア形成が可能になると期待されている。
宮城県内では、育成就労制度の導入に向けて、日本語研修体制を整備済みの企業が47%に達しており、介護施設でも準備が本格化している。外国人材の定着支援として、メンタルヘルスケアや生活相談窓口の設置、多文化共生住宅の提供なども進められている。
介護分野での外国人材採用は、ビザ申請手続き、在留資格の要件確認、日本語教育、専門研修、定着支援など、総合的な受入れ体制の構築が不可欠となっている。通訳翻訳サービスや外国人採用支援の専門機関の活用も、円滑な受入れのポイントとなる。
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